「口から食べられない=寿命」変わる死生観で「自然死」急増の予兆 (6/7) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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「口から食べられない=寿命」変わる死生観で「自然死」急増の予兆

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老人医療施設で暮らす認知症の妻の手を握りながら、介護をする男性(写真は本文と関係ありません)(c)朝日新聞社

老人医療施設で暮らす認知症の妻の手を握りながら、介護をする男性(写真は本文と関係ありません)(c)朝日新聞社

日本人の死亡場所別の割合の推移(週刊朝日 2018年3月9日号より)

日本人の死亡場所別の割合の推移(週刊朝日 2018年3月9日号より)

世代別でみた高齢者の「死」に対する意識のイメージ(週刊朝日 2018年3月9日号より)

世代別でみた高齢者の「死」に対する意識のイメージ(週刊朝日 2018年3月9日号より)

「お手本もありませんから、主張もありません。しかし、団塊の世代は違います。今の高齢者というお手本があるし、延命治療をして生き続けると、どういう事態になるのかもわかっています。おのずから余計な医療や介護はいらないと、堂々と主張し始めるのではないでしょうか」

 先の苛原医師も、

「以前は、例えばがんで医者が『治療をしましょう』と言うと、『先生にお任せします』と答える人がとても多かった。しかし最近は、はっきり自分の意見を言う人が増えていると実感します。医者が本人の意思を尊重するのはもちろんですが、医者の言うとおりにならない時代になっています」

 佐々木氏が示唆しているが、自然死型が普及すると「日本財政が助かる」という副産物が生まれる可能性もありそうだ。団塊の世代が後期高齢者になると、医療や介護に巨額の費用がかかり財政がパンクする、いわゆる「2025年問題」が心配されているからだ。団塊の世代が終末期の医療・介護を望まなければ、問題は小さくなる。

 どうやら自然死型が増えていく可能性は高そうだが、むろん注意点もある。

 一つは、患者側の「気が変わる」ことがあること。先の照沼理事長によると、健康な時には延命措置はいらないと公言していても、いざそういう立場に直面すると本人が豹変することがあるという。

「つい最近のことです。60歳すぎのパーキンソン病の女性が急に寝たきり状態になってしまったんです。元気な時に、さまざまなことを説明すると、『オムツ交換は絶対に嫌』『人に体を触られたくないから、介護はいらない』と言っていましたが、寝たきりになると『使えるものは何でも使って、生き続けたい』に変わりました。もちろん本人の意思が最優先です。要は、意思が変わることがいつでも起こり得ることを知っておくことです」

 もう一つは、医療・介護側で振り子が一方向に動いて行き過ぎてしまうこと。介護・医療ジャーナリストの長岡美代さんが言う。


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