稀勢の里は来場所は「進退」がかかりそうだ。

 対するモンゴル出身の横綱鶴竜は破竹の勢い。昨年6場所のうち、全休2回、途中休場3回。今場所ダメなら「引退」と、本人も親方も覚悟して臨んでいるという。

「鶴竜はアゴを引いて頭がよく下がっている。もともと、立ち合いのときに自分の有利な形に持ち込む前さばきの良さで横綱になった人。その良さがよく出ている。今場所はどこまで一日一番で無心でいけるか。もし、鶴竜が勝ちを意識して出足が鈍くなると、引き技が出てくる。彼の一番の欠点で、それが出てくると崩れることも」(杉山さん)

 一方、貴乃花部屋勢は気を吐いている。貴乃花部屋の新小結貴景勝は横綱稀勢の里に勝った。同じく、貴乃花部屋の幕下貴公俊は、白鵬の内弟子で同じ宮城野部屋の幕下炎鵬に勝った。貴乃花一門の逆襲から目が離せない。(本誌・上田耕司)

週刊朝日  2018年2月2日号

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上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

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