続いて、尿トラブルを抱える人には欠かせないグッズ、尿もれパッドについて。利用者が年々増え続けており、軽失禁用パッドの成長は2ケタにのぼる。なかでも3年前に登場した男性専用の尿もれパッドの市場は、発売当初の約7倍になっている。

 だが、実際に専用のものを使っているのは、利用者の半数に過ぎないというデータも。この数字は女性に限ったものだが、残りの半数はおりもの用のシートや生理用品などで代用しているわけだ。これに対し、ユニ・チャーム広報室の渡邊仁志さんはこう説明する。

「尿もれパッドは尿を吸収することに特化した製品です。月経血を吸収する生理用品とは構造がまったく異なります」

 尿もれパッドは尿を吸収するポリマーが多く入っているため、取り込んだ尿の逆戻りがほとんどない。また、特有のアンモニア臭を封じ込めるポリマーを採用しているため、においへの不安も解消される。

 吸収量や形状など、さまざまな製品が登場しているが、何を目安に自分に合った製品を選べばいいか。

「もれの量に応じたものを選ぶのが一番ですが、それがわからない方が多いと思います。まずは吸収量が50ccぐらいの製品を試し、量が十分足りていればもっと吸収量が少ないタイプを、足りなければ少し吸収量の多いタイプを選ぶとよいでしょう」(渡邊さん)

 ダンスやウォーキングなどの運動時はいつもよりもれやすいため、吸収量が多めのものを選びたい。

 ちなみに、気になる“ちょいもれ”にも、こんな対処法がある。

「排尿した後に“振る”のです。遠心力の要素もありますが、大事なのは脱力。緊張がほぐれると尿道頸部が開きます。振るとリラックスモードになるので、残った尿が出てくるのです。また、排尿後はすぐに下着を上げず、しばらくそのままでいましょう。これは女性の“ちょいもれ”にも効果的。それにより力が抜けるので、残った尿を出すことができます」(上田さん)

 自分の生活習慣と排尿の関係を知りたい人は「排尿日誌」をつけよう。本来は診察で使うものだが、尿の量(計量カップを購入し毎回排尿量をチェックする)と回数、飲食などを書き込むことで、排尿パターンを客観的に知ることができる。

「つけるのは3日間でOK。これでだいたいのことはわかります」(嘉村さん)

 人生80年。健康長寿を目指すためにも、排尿で生活が制限されることのない暮らしを始めよう。(本誌・山内リカ)

週刊朝日 2018年1月5-12日合併号より抜粋