ケネディ駐日大使(当時)のリニア視察に立ち会うJR東海の葛西名誉会長(c)朝日新聞社
ケネディ駐日大使(当時)のリニア視察に立ち会うJR東海の葛西名誉会長(c)朝日新聞社
安倍首相と会食・ゴルフした財界人たち(2017年)(週刊朝日 2017年12月29日号より)
安倍首相と会食・ゴルフした財界人たち(2017年)(週刊朝日 2017年12月29日号より)

 安倍晋三首相とパイプのある企業に東京地検特捜部の捜査のメスが相次いで入った。スパコン詐欺事件で逮捕されたベンチャー社長は首相側近との親密さを誇り、リニア不正入札の舞台となったのは首相後見人のお膝元だった。にわかに注目される、首相の華麗なる経済人脈とは──。

【安倍首相と会食・ゴルフした人たちの一覧はこちら】

 安倍首相を支える華麗なる財界人脈をひもといてみよう。本誌は朝日新聞の「首相動静」から、2017年に安倍首相が会食やゴルフをした財界人をカウントした。

 安倍首相が今年、もっとも会っていたうちの一人は鉄鋼ビルディング専務の増岡聡一郎氏(5回)。広島を拠点とする「増岡グループ」の創業者一族で、時に昭恵夫人も交えて安倍首相と頻繁に会食する等、家族ぐるみの親密な関係であることがうかがえる。

 15年のクリスマスイブに昭恵夫人がフェイスブックに「男たちの悪巧み」と題して投稿した写真には、安倍首相や加計学園の加計孝太郎理事長らとともに洋酒のグラスを片手にくつろぐ姿がとらえられている。加計氏と同じ「親友グループ」の一人と言えそうだ。

 同じく会食数でトップだったのは、読売新聞グループ本社主筆の渡辺恒雄氏(5回)だ。5月3日に、憲法9条に自衛隊を明記する改憲案を突如として表明した安倍首相が、その後の衆院予算委員会で発言について説明を求められると「自民党総裁としての考え方は相当詳しく読売新聞に書いてありますから、ぜひそれを熟読していただいてもいいんだろう」と発言したことも記憶に新しい。

 安倍首相と渡辺氏はその少し前の4月24日にも東京・飯田橋のホテルグランドパレスで会食していた。メディア関連企業トップの中でも、渡辺氏との会食の頻度は群を抜いている。

「渡辺会長は政治部時代から安倍首相の父の晋太郎さんと昵懇だった関係でつきあいが続き、安倍首相の信頼は厚い。読売新聞の最高権力者というアンタッチャブルな存在で91歳となった今でも首相に改憲、政局などいろいろアドバイスしているようだが、大手町の読売本社内で会うこともあり、どんなメンバーで何を話しているかは不明なところも多い」(官邸関係者)

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