ガッツポーズする金正恩氏(c)朝日新聞社
ガッツポーズする金正恩氏(c)朝日新聞社

 米国の首都ワシントンを射程に入れた新型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星(フアソン)15」の発射で、北朝鮮をめぐる緊張はいっそう高まった。

 北朝鮮が11月29日未明、通常より高角度のロフテッド軌道で発射した火星15の最高高度は約4500キロに到達し、過去最高。通常角度での飛距離は1万3千キロ以上と推計され、米国全土が攻撃可能範囲に収まる。

 韓国在住のジャーナリスト、裵淵弘(ペヨンホン)氏が語る。

「韓国メディアは火星15の早期完成の要因を、エンジンが北朝鮮独自の開発ではなく、旧ソ連製で組み立てられた可能性を指摘しています。戦争の危機を高める米朝の応酬は今後も続くでしょう」

 9月のミサイル発射以来、北朝鮮による2カ月半ぶりの“挑発行為”に米国のトランプ大統領は激昂。金正恩朝鮮労働党委員長をツイッターで「ちびのロケットマン」と罵り、中国の習近平国家主席との電話会談で石油の禁輸を促した。

次のページ