「史上初の核戦争になる。日本も韓国も北朝鮮も共倒れです。レッドラインは、北朝鮮が火星15を通常軌道で発射するか、火星14を使って太平洋上で水爆実験を実施する。あるいは、火星12(中距離弾道ミサイル)でグアム近海を包囲射撃した時点でしょう」

 一方、前出の裵氏は実質的に「米朝の出来レース」という見方をする。

「火星15の打ち上げで北朝鮮は米国との交渉カードを高めていく狙いがある。米国も北を利用し、日韓への武器売却に好都合な環境が整うという構図がある」

 辺氏はこう嘆く。

「日本にとって北朝鮮有事は今や想定内です。軍事衝突が起きないように、知恵を絞り、工夫を凝らして何とかしなければいけないのですが……」

(本誌・亀井洋志)

週刊朝日  2017年12月15日号