そして今の世相的に最もヒットしたのが、不倫騒動で議員辞職をした宮崎謙介さんと羽生結弦さん。これは単純に顔の造作や髪型の類似が大きな要因ですが、女癖の悪い男が政治家として『誠実さ』や『清潔さ』を体現しようとすると、現在の世の中では、結果『羽生くん的』なところに落ち着くというメカニズムを見た気がします。決して羽生くん自身はゲスでも何でもないことは重々承知ですが、一方でそんな性(さが)に裏打ちされた『不良(わる)な羽生結弦』を妄想するのも決して悪くありません。

 政治家絡みだと、最近『第二の豊田真由子』として暴言騒動の渦中にいる本市議の北口和皇(かずこ)さんを観るたびに、その重厚なお顔の向こうから細川たかしさんが浮上してきます。ずっと女装なんかをやっていると、勝手に人の顔に化粧を足し引きするのが癖になるのですが、まさしく細川さんのお顔に1センチほどの強気なアイラインを引き、紫系のアイシャドウを広めにちりばめ、でっぷりとしたリップラインを強調すべく濃いめの紅をグロッシーに塗れば和皇(かずこ)の出来上がりです。何よりも『和皇(かずこ)』という名前。ここに彼女の性(さが)や業のすべてが詰まっている気がします。わざわざ改名したなんて噂もあったりして、名前込みで観賞すると韓国の宮廷ドラマに出てくる老論派の重鎮にも見えてきます。

 最後に自信を持って提案させて頂きたい極上物件が。『堺雅人とクリス松村』です。これは明らかな一方通行型で、『堺さんが笑うとクリスさんになる』というものですが、ここ数年その確率がかなり上がってきているのは事実。『スカパー!』も『のどごし生』も、ますますもってクリス化が著しい堺さん。オプションとしては『クリスさんといっしょに住んでいる菅野美穂』を想像すると尚味わいが増しますので、是非皆さんもお試しになってはいかがでしょうか? あと連日の大相撲問題でお忙しい藤田紀子さん(若・貴の母)ですが、言われなくとも自分と見間違えてしまうことがあります。特にワイプサイズでは。出てなくても働いた気になれるのでお得です。

週刊朝日 2017年12月8日号

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ミッツ・マングローブ

ミッツ・マングローブ

ミッツ・マングローブ/1975年、横浜市生まれ。慶應義塾大学卒業後、英国留学を経て2000年にドラァグクイーンとしてデビュー。現在「スポーツ酒場~語り亭~」「5時に夢中!」などのテレビ番組に出演中。音楽ユニット「星屑スキャット」としても活動する

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