九州場所会場内の役員室から出てきた貴乃花親方 (c)朝日新聞社
九州場所会場内の役員室から出てきた貴乃花親方 (c)朝日新聞社
九州場所の福岡国際センターに入る貴乃花親方 (c)朝日新聞社
九州場所の福岡国際センターに入る貴乃花親方 (c)朝日新聞社

 横綱日馬富士による平幕貴ノ岩への暴行騒動は、貴乃花親方VS相撲協会の暗闘へと発展している。

【写真】印象的なファッションで九州場所の福岡国際センターに入る貴乃花親方

 貴乃花親方はここまで、相撲協会の聴取に対して詳細の説明を拒み、沈黙を貫いている。一方で、11月26日に開かれた貴乃花部屋の九州場所千秋楽の打ち出しパーティーでは、冒頭の挨拶で「師匠として腰引くことなく、身を引くことなく、まっすぐと向き合っていく」と、〝戦闘宣言〟ともとれるような決意を述べた。

 貴乃花親方はいったい、何と戦っているのか。貴乃花親方を知る関係者が、沈黙の裏にある事情を次のように語った。

「暴行のあった日の朝、貴ノ岩の様子がおかしく、頭を見たら血がにじんでいる。事情を聴くと、階段から落ちてケガをしたと。初めはそんな程度のものか、と思ったが、さらに聞くと日馬富士から暴行を受け、その場にはモンゴル出身横綱3人がそろっていたという。高校OBの飲み会と思ったら話が違うじゃないかと、貴ノ岩もきつくしかったそうです」

「その後、貴ノ岩を見ていると、かなりふらついたり、まっすぐ歩けなかったりで重傷ではないのかと。詳しく事情を聴くと、いわゆる『かわいがり』というか、もっと言えば貴乃花親方が普段から貴ノ岩に厳しくしてモンゴル力士の飲み会に参加させないものだから、計画的に呼び出して暴行したのではないかとすら思ったようです。貴ノ岩はうまくなだめられて、丸め込まれて仲直りさせられたのではないか、とも思っている。相撲協会の八角理事長とも以前から反目しており、もし話してもかき消されたり、悪者扱いされたりしてしまうだけ。それで、公に話すより、まずは警察に話して客観的に判断を下してほしい、と。巡業部長や理事の座を捨ててもかまわないから、大事な弟子を守るほうが大切という思いのようです」

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