林:今は映像モードですか。
蒼井:今年もう一本映画を撮ったら、来年は久しぶりに舞台です。
林:どんな舞台ですか。
蒼井:栗山民也さん演出の「アンチゴーヌ」というお芝居で、アンチゴーヌの叔父さんのクレオンという王様と姪との永遠の口ゲンカみたいな感じの会話劇なんです。
林:アンチゴーヌ役が蒼井さんで、王様はどなたがなさるんですか。
蒼井:生瀬勝久さんです。
林:二人芝居ですか。
蒼井:ほとんど二人に近いですけど、ほかにもいらっしゃいます。
林:舞台は膨大なセリフを覚えなきゃいけないから大変ですよね。
蒼井:何万文字覚えてきたんだろうと思いますね、今まで。
林:昔、「放浪記」の森光子さんに会ったら、あんなに何回もやってらっしゃるのに、最初の「ただいま」というセリフしか覚えてなくて、あとは全部忘れて、また覚え直すんですって。女優さんってなんて大変なお仕事なんだろうと思いましたよ。
蒼井:私、やりながら忘れたりしますけど(笑)。たまに舞台上でパーンってセリフがなくなります。
林:忘れちゃうの? そういうときどうするんですか。
蒼井:すごく嘆いてみたり、すごく笑ってみたり、何かオーバーなことをしながら思い出します。あたかもそんなお芝居みたいな感じで。
林:今、ドラマのほうは?
蒼井:10月から櫻井翔さん主演のドラマに出てます。
林:あ、わかった。先生の役ですね。えーと……。
蒼井:「先に生まれただけの僕」。
林:そうそう。最近、覚えにくいタイトルが多くて(笑)。何の先生の役ですか。
蒼井:現代社会の先生の役で、私、初めての先生役なんです。生徒たちは本物の高校生なんですよ。ほとんどお芝居したことがない子たちをオーディションで集めて、3カ月ちょっと撮影したんですけど、最初と最後では芝居も顔もまったく違ってるんです。後半は親心みたいになっちゃって、生徒がセリフ言ってるときグッときて、泣くシーンじゃないのに涙が出てきそうになっちゃって、イカン、イカンと思いながら。