林:蒼井優ちゃんに恋しちゃった子、いっぱいいるんじゃない?

蒼井:いや、誰も興味なさそうでしたよ。でも、かわいいなと思う生徒役の子には、こっちから話しかけちゃったりして(笑)。私もたぶんこのぐらいの年齢のとき、一本の作品をつくってるあいだにすごく成長したんだろうなと思いました。「こんなに吸収できることがいっぱいあるんだよな、現場って」と、あらためて思わせてくれましたね。

林:蒼井さんは、劇団に入ったりしないで、自力でこれだけの演技力を身につけたんですよね。

蒼井:はい。海外ではありえないみたいですね。「なぜ日本人は現場で覚えるのか」と海外の俳優さんに言われます。

林:私、思うんですけど、男の俳優さんって群雄割拠で、すごく人気の入れ替わりが激しいと思うんです。でも、女優さんは安定してますよね。10年前若手で主役をやってた人が今もやってるし、女優さんの上位何人かはすごく安定してると思う。

蒼井:上とか下とかはわかりませんけど、1本あたりの雇用の数が違うと思うんですよ。女優は1本の作品に対して出られる枠が少ないんですよね。男の人のほうがいっぱい出られる。その分、入れ替わりが激しいのかなと思うんです。

林:女優は主役をとるのが難しい?

蒼井:その前に、出演するのが難しい。たとえば企業をテーマにした映画なんて、男の人の枠がほとんどですよね。私も男の俳優さんと共演することが多くて、女優さんと共演する機会はあんまりないんですよね。舞台は半々だったりするんですけど、映像は男性が多いのがほとんどじゃないですかね。

林:プライベートな時間のこともちょっとお聞きしていいですか。何かで読んだら、「一人で劇場に行くときがいちばん落ち着く」とおっしゃってましたけど、劇場にはいつも一人で行くんですか。

蒼井:基本的に舞台も映画も一人でしか見に行かないです。あと、家のソファが大好きです。家のソファに座ってるのが。

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