蒼井優(左)と林真理子(右)
蒼井優(左)と林真理子(右)

 俳優として18年のキャリアがありながら、いつまでも純朴な雰囲気を保ち続ける、蒼井優さん。その素顔に作家の林真理子さんが対談で迫ります。

*  *  *

林:今年でデビュー何年ですか。

蒼井:いま私、32歳だから……、18年? そんなにやってるんだ(笑)。

林:32歳って、女優さんにとってちょうどいい年齢じゃないですか。

蒼井:30歳こえてからのほうが、役がおもしろいというか、面倒くさいというか。

林:「リリイ・シュシュのすべて」(岩井俊二監督)を見て、かわいい子だなと思いましたけど、あの映画、暗かったですよね。

蒼井:そうなんですよね。私、子どもすぎて、あの映画が暗いということもわかってなかったぐらいなんにも考えてなかったんですけど、何年後かに見返したら、ほんとに暗~い話でしたね(笑)。

林:試写室で見たとき、男の人が受付の人に「こんな救いのない映画つくったってしょうがないじゃないか」と言ったのを覚えてますよ。

蒼井:「リリイ・シュシュのすべて」がデビュー作だったおかげで、いろんな人に興味を持っていただいてお仕事をいただいたので、デビュー作ってすごく大きいんだなと思いました。それまでオーディションを受けても受かってなかったですし。

林:最近は山田洋次監督にもかわいがられて、「家族はつらいよ」にもお出になって。

蒼井:はい、ありがたいです。

林:テレビドラマにも出ずっぱりでしょう? 「Dr.倫太郎」「若者たち」、最近の「ハロー張りネズミ」……。お仕事、途切れたことないですよね。

蒼井:舞台をやらないで、映像の仕事だけにしていたので、すごく出演してるように見えるのかもしれないです。

林:私、「三人姉妹」を見たかったんですけど、あっという間にチケット売れちゃったんですね。すごい女優さんたち(宮沢りえ、余貴美子)と共演なさったんでしょう?

蒼井:そうですね。あのときは何もできなさすぎて、車がエンスト起こしてるみたいな感じでした。1年ぶりの舞台だったので、「舞台って何だっけ」みたいなところからのスタートになってしまって、本番を楽しめるようになるまで相当時間がかかりました。

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