東尾修 “監督経験ナシ”の稲葉篤紀を評価する理由 (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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東尾修 “監督経験ナシ”の稲葉篤紀を評価する理由

連載「ときどきビーンボール」

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人柄はお墨付き! 指導者としての手腕に注目が集まる稲葉篤紀(右)=ZOZOマリンスタジアム(c)朝日新聞社

人柄はお墨付き! 指導者としての手腕に注目が集まる稲葉篤紀(右)=ZOZOマリンスタジアム(c)朝日新聞社

 東京五輪の日本代表監督に就任が決まった稲葉篤紀・前日本代表打撃コーチ。西武ライオンズの元エースで監督経験もある東尾修氏は、監督経験がなくても問題がない理由を語る。

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 野球日本代表、侍ジャパンの監督に稲葉篤紀の就任が決定的になっているという。このコラムが読者に届くころには、発表されているかもしれない。2020年の東京五輪の金メダルを目指すという意味では、賛否の意見もあるだろう。

 私としては稲葉の監督就任に賛成だ。私が侍ジャパンの投手総合コーチを務めた13年の第3回WBCでも、主将の阿部慎之助をバックアップし、チームの雰囲気づくりに尽力してくれた。裏表がない。野球に対する姿勢も兼ね備えた人格者であると感じる。

 監督経験がないという点を指摘されると思うが、それは言い換えれば、決断するための引き出しが乏しいということだ。だが、今年3月のWBCを指揮した小久保裕紀監督は、球団の監督経験はなかったが、就任から3年以上が経過し、見事なまでに局面の決断を行い、チームを動かした。

 代表チームは各球団の主力選手が集まる。監督にできることは年間143試合を戦う球団監督よりも少ないよ。適材適所の起用という側面はあるが、その選手を送り出したら、「信じる」ことが根幹にある。采配で細かに動かすことばかり考えれば、選手の本来持つ能力、積極性をそいでしまう可能性がある。

 それよりも代表監督としてはまず、12球団の選手を観察する努力が必要だ。球場に足を運び、テレビで12球団の選手の動きをチェックする。代表監督は3月と11月しか指揮は執らない。ならば、それ以外の10カ月、代表候補選手の動きをどれだけ観察できるか。現場に足を運んで選手とコミュニケーションを図る必要だってある。何より情熱が必要になる。

 しかも、野球界は「10年ひと昔」という言葉が通用しないほど、急速な革新、進歩がある。動くボールの質もそう。その対応も日進月歩だ。若い選手と同じ「もの差し」で野球を見るには、若い指導者がいいに決まっている。


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