妻:2時間、連れ回されました。この人、店を予約するとか計画を立てるとかが一切ないんです。いまもそうなんですけど。

夫:この時点で僕は「終わった……」って思ったんですが。

妻:私のなかで「この人おもしろい!」ってスイッチが入っちゃったんです。

夫:翌日メールで「ジェットコースターみたいで楽しかったです。また連れてってください」って言ってきた。「この子、頭おかしいのかな」って思いましたよ(笑)。

妻:なにが「おもしろい」のかうまく説明できないんですが、いまだにそれが続いてるんです。初対面のときから「この人、どういう人なんだろう」って100%つかめていない。だから退屈しないし、ずっと「おもしろいな」と思い続けられているのかな。

――結婚に至ったのは、妻の「刷り込み」だという。

夫:彼女、ドライブのたびに「結婚」の話題を出してきたんですよ。「知り合いが先週結婚したんですよ~」「出会ってすぐ結婚のほうがラブラブで楽しそうですよ~」って、「結婚、結婚」ってラジオみたいに毎回聞かされた。「なに? 結婚したいの?  じゃあする?」って。

妻:よく考えたら「付き合おう」とかもなかった。

夫:僕ら、そのころプライベートで所ジョージさんのお宅にお邪魔していたんですが、所さんもまたうまく結婚に誘導するんですよ。もしかして、所さんにいくらか渡してた?

妻:渡してません(笑)。

夫:まあ、こういう結婚の仕方もありますよ。でも一度だけ彼女を「誰かに持っていかれるかも」って不安になったことがあった。彼女が飲み会に行ったまま連絡が取れなくなったんです。心配で寝られなくて、夜中もずっと電話をかけ続けて。朝方、車を飛ばして彼女の家に行ったら、寝てました、家で。

妻:寝ぼけながら「あれ? 朝6時ですよ? どうしたんですか? アレ? 連絡してませんでした?」って。

夫:脱力しましたね、あれは。

「山川恵里佳がキレた『いまがどん底だよ!』おさるの奔放ぶりとは?」へつづく

週刊朝日 2017年6月23日号より抜粋