繊細な“揺らぎ”の歌声を持つ半崎美子。桑田氏お気に入りの「ふたりの砂時計」も収録(撮影/伊ヶ崎忍)
繊細な“揺らぎ”の歌声を持つ半崎美子。桑田氏お気に入りの「ふたりの砂時計」も収録(撮影/伊ヶ崎忍)
半崎美子のミニアルバム「うた弁」
半崎美子のミニアルバム「うた弁」

「日本のアニタ・ベイカー(米R&B歌手)だ!」

 サザンオールスターズの桑田佳祐が昨年12月、ラジオ番組で激賞したインディーズのシンガー・ソングライター半崎美子(36)が4月5日、ミニアルバム「うた弁」でメジャーデビューする。北海道から上京して17年目の本人を直撃した。

 今の心境は?

「父親の猛反対を押し切って出てきましたが、続けてきてよかった。(メジャーデビューが)決まったとき、父も喜び、親戚中にはがきを書いてくれたんです」

 上京後、パン屋の2階に住み込んでいたのだとか。

「人生初のオーディションはパン屋さんの面接(笑)。週6日働き、給与をもらいながら曲を作ってデモテープをクラブに持ち込みました。5年後にライブハウスに立ち、その5年後、全国のショッピングモールで歌い始めたんです」

 不特定多数の人が行き交うショッピングモールで、(インディーズとして)歌い続けるのは簡単ではないはずだ。

「連れている犬がたまたま会場の前で止まったから歌に耳を傾けるおじいちゃんもいました。あ、わんちゃん動かないでって思ったり(笑)。買い物に来たお客様にCDまで買っていただくにはどうすべきかを日々懸命に考える中で、発信するだけでなく受信する大切さを知ったんです」

 サイン会でも泣く人が続出し、“泣かせ歌”と評判を呼ぶことになった。

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