厳しくも優しい夫の支え方とは? (※写真はイメージ)
厳しくも優しい夫の支え方とは? (※写真はイメージ)

 お笑いコンビ「松本ハウス」で「ボキャブラ天国」(フジテレビ系)などに出演し、人気を博した松本キックさんと妻・瀬里菜さんの夫婦は年の差15歳。瀬里菜さんにコンビのネタ見せもするという。

「松本キック『僕が一方的にボコボコに…』15歳下の妻に怒られる理由」よりつづく

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――人気絶頂だったとき、夫の相方のハウス加賀谷さんが持病の統合失調症を再発し、コンビは10年間、活動を休止した。その経緯は『相方は、統合失調症』(幻冬舎)に詳しく記されている。コンビ復活には、妻の理解が支えとなった。

夫:実は結婚するとき、相方の加賀谷に婚姻届の証人になってもらった。薬の副作用で微妙に震える手で「本当にぼくで大丈夫ですか?」と聞かれたけど。活動休止中も、たまに会って、近況を報告しあってました。

妻:加賀谷さんには、ご飯を食べに来てもらったり、四畳半の彼の部屋で二人で練習するのをのぞいたり。

夫:コンビが復活してからもネタをやる機会がないとこぼしていたら、嫁がネタ見せのパーティーをしてくれたこともありました。

妻:ママ友に子供たち、彼の後輩芸人さんたちが来てくれて。それなのに……。

夫:ちゅうちょしていたら、「やらないの!?」って迫られ、「はい。やらせていただきます」。

妻:私が毎日怒るので、最近は学習したのか、「(コントの)練習しないの!?」と言うと、週1回時間をとるようになったんです。でも、それも、ひと月したらパタッ。

夫:やりすぎたら、ほら、相方が疲れるといけないし。

妻:またそんなこと言って、人のせいにする。

夫:嫁に練習を見てもらうんですが、率直な感想を求めたら、「つまんない」と一言。「おもしろくない」。瞬殺。そういうとき、相方は、100%気配を消すんです。火の粉がかからないように。だから僕が、これはこういうネタだからこういうフリで、と必死で解説する。そうでもしないと、心がもたないんですよ。

妻:一回のみ込むということをせずに、まず言い訳をする。それから背を向けてつぶやくんです。「僕は褒められて伸びるタイプなんだよな」って。

夫:ツライなぁ。まったくいいところがない。俺ってサイテーだなぁ(笑)。

夫:嫁は言葉はキツイですが、相方と活動再開となったときも、ライブの準備から受け付けまで裏方を務めてくれたんです。

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