雪がちらつく中、センター試験会場に向かう受験生=14日午前、京都市左京区 (c)朝日新聞社
雪がちらつく中、センター試験会場に向かう受験生=14日午前、京都市左京区 (c)朝日新聞社

「文高理低」が顕著になり、難関私大文系の志願者が軒並み増えた今年の大学受験。理系では、医療・看護における学部や学科新設などの動きもある。私大受験での変化は? 最新の出願状況をお伝えする。

 河合塾教育情報部の富沢弘和部長は、首都圏・近畿圏・中京圏など都市部の大学で、志願者が軒並み増えている傾向を指摘する。

 河合塾が2月3日現在でまとめた志願状況によると、都市部を中心とする主要102大学の志願者数は前年比107%と伸びた。

 首都圏の「早慶上理(早稲田大・慶應義塾大・上智大・東京理科大)」、近畿圏の「関関同立(関西大・関西学院大・同志社大・立命館大)」、中京圏の南山大・愛知大・中京大・名城大などが安定して伸びている。九州の福岡大や久留米大も、志願者数が増えた。

 首都圏の「MARCH(明治大青山学院大立教大・中央大・法政大)」も堅調。5大学全体の伸びが前年比105%なのに対し、法政が同119%と高かった。

 近畿圏では、「産近甲龍(京都産業大・近畿大・甲南大・龍谷大)」全体で前年比114%。4大学の志願者の過半数を占める近大が同120%と大きく伸びた。

 富沢さんは私大の傾向について、「経済、経営、商学系、グローバル系などの学部で志願者が増えています。私大の入学定員超過率(定員を超えた入学者の割合)が昨年度から厳格化され、基準値を超えると、大学に私学助成金が交付されません。各大学は合格者数を絞り込んでおり、浪人生も増えました」と話す。

 私立理系は医療、看護系などが昨年同様に人気が高い。今年は12大学が看護系学部・学科を新設した。

「新設5大学のうち、4大学が看護の学部・学科を設置します。看護系学部の定員は1991年に558人でしたが、今春は推定2万2100人以上です」(富沢さん)

 新設学部で注目されるのが国際医療福祉大。昨年の東北医科薬科大に続き、医学部が新設される。一般入試は募集人員100人に対し、2769人が志願した。

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