林:すご~い。

斉藤:でも、今朝久しぶりに体重計に乗ったら、すごい増えててびっくり。「まずい!」と思って(笑)。

林:いまぐらいがちょうどいいんじゃないですか。松坂慶子さんはお若いころに比べるとだいぶふくよかになられましたが、いまのほうが大女優っぽくて素敵ですし。昔はすごみのある美女でしたが。

斉藤:「愛の水中花」のころですね。

林:松坂さんはそのころのご自分のことを「前世」とおっしゃってましたよ。

斉藤:アハハハ、かわいい。

林:でも斉藤さん、急激にやせられたのに、お顔にシワができてない。

斉藤:そんなことないですよ。でも私、女優の仕事が大好きなんです。人づき合いもうまくないし多趣味でもないし、私が打ち込むことといったら仕事なんです。子育ては“打ち込む”とはちょっと違うので。でも、太っていると役柄がすごく限られる。いろんな役に臨機応変に対応するためにはやせなくちゃと……。あ、でもそれが理由じゃないかな。そのころ、自分の中で「変化したい」という気持ちが強かったんです。それで結果として役柄の幅が広がったんだと思います。

林:なるほど。いまの再ブレークも、今回のドラマのお母さん役も、ふっくらした丸っこい体形だったら来なかったかもしれませんね。

斉藤:そう思います。こういう仕事って、人から憧れてもらってこそってところがあるじゃないですか。自分に厳しく努力しているからこそ、「この人、頑張ってる。じゃあこの役をやってもらおう」「あの女優さん、キレイ。あんなふうになりたい」と思ってもらえる。やせたことでそれがわかりました。

林:胸に刺さる言葉です……。

斉藤:それからは闘いですよね。年齢的にも、食べるとどうしてもお肉がつくので。

週刊朝日  2017年1月27日号より抜粋