「IQ246」は織田裕二と、ディーン・フジオカ、土屋太鳳との息もピッタリ (c)TBS
「IQ246」は織田裕二と、ディーン・フジオカ、土屋太鳳との息もピッタリ (c)TBS

 女王の栄冠は米倉涼子の頭上に輝くのか──。秋のテレビドラマ視聴率争いでトップを独走中なのが、第4シリーズを迎えた米倉涼子主演の「ドクターX~外科医・大門未知子~」(テレビ朝日系)だ。

「シリーズを重ねながら質を落とさないための、作り手の努力が伝わります」

 と、この結果にうなずくのは上智大学文学部の碓井広義教授(メディア論)だ。例えば、キャスティング。今シリーズから、“渡鬼”の泉ピン子が、中華料理店の白衣から病院の白衣に着替えて参戦した。

「アンチも多いピン子さんを引っ張ってきたのは、中途半端に若い視聴者を増やすのではなく、大人を狙った証拠です」(碓井教授)

 狙いはぴたり。安定した“米倉座長”のもと、泉ピン子や西田敏行のようなアクの強い役柄が生き、中高年層を楽しませている。

 だが、ここにきて「ドクターX」を猛追するのが、TBS系“逃げ恥”こと「逃げるは恥だが役に立つ」だ。星野源と新垣結衣が“雇い主と従業員”という形で契約結婚。2人ともちょっと変わったインテリだが、その設定が魅力だという。

「新垣さんと星野さんが真面目にやればやるほどにおかしい。ベースはマイルドなコメディーだが“新商品”的ドラマです」(同)

 テレビウォッチャーの吉田潮さんも、同様に新鮮味を感じている。

「男女2人の思考回路が丁寧に表現され、合理性を求める2人の性格に説得力があります。ガッキーの小ざかしい役もさることながら星野の童貞役がいい。ジャニーズの誰かがやったらふざけんなってなるけど」

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