田原総一朗「トランプ氏『絶対有利』説がそれでも消えない理由」 (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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田原総一朗「トランプ氏『絶対有利』説がそれでも消えない理由」

連載「ギロン堂」

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どうなる大統領選?!(※イメージ)

どうなる大統領選?!(※イメージ)

 米国の大統領選で、泡沫候補と目されていたドナルド・トランプ氏。しかし、いまだトランプ氏の絶対有利説を主張する面々がいる。その理由をジャーナリストの田原総一朗氏が分析する。

*  *  *
 政策論争というものがまったくなく、徹底した相手の非難合戦に終わった。アメリカのメディアは「史上最低のテレビ討論」だと決めつけた。10月9日に、民主党のヒラリー・クリントン前国務長官と、共和党の不動産王ドナルド・トランプ氏が行った、第2回テレビ討論のことである。

 トランプ氏は当初、遅かれ早かれ途中で消える泡沫候補だと目されていた。トランプ氏の発言について、ニューヨーク・タイムズやワシントン・ポストは、繰り返し「暴言」だと批判した。現に、メキシコとの国境に万里の長城のような壁をつくるとか、イスラム教徒の入国禁止とか、明らかに相手の民族を蔑視するような発言を繰り返した。

 ところが、アメリカの新聞やテレビなどが「暴言」だと批判すればするほど、トランプ氏の支持率は上昇し、ついには共和党を代表する大統領候補になってしまった。

 これは、どういうことなのか。ざっくり言えば、アメリカ国民の現状に対する不満がきわめて強く、トランプ氏の発言に、彼が現状を変えてくれるのではないか、という強い期待を抱いているということだ。

 第2次大戦後、東西冷戦の中で、アメリカは西側の警察としての役割を務めてきた。ソ連の共産主義が世界に広がらないように、たくましい外交力と、膨大なコストをかけた軍事力によって、西側陣営を守ってきた。そしてソ連邦が崩壊した後は、世界の警察として各地の民族紛争を抑え、あるいはテロと戦ってきた。湾岸戦争、アフガン戦争、そしてイラク戦争などである。そのために莫大な予算をかけ、また多くの兵士たちの生命を犠牲にしてきた。

 しかも、特にイラク戦争は、世界中から大失敗だと決めつけられた。アメリカ国内でも失敗という世論が決定的になり、だからイラク戦争に反対した、民主党のオバマ氏が大統領となったのであった。


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