今年は、連続テレビ小説「あさが来た」、「私 結婚できないんじゃなくて、しないんです」「HOPE~期待ゼロの新入社員~」とドラマの出演が続いたが、秋には1年半ぶりの舞台に出演する。「遠野物語・奇ッ怪 其ノ参」の脚本・演出は、身近な生活と隣り合わせに現れる異界を描くことに定評のある前川知大さん。瀬戸さんは、前川さんの作品が好きで、舞台を観に行き公演後に挨拶するたびに、「いつか一緒に」と話していた。

「妖怪、幽霊、宇宙人、神……。前川さんの舞台は、非日常的なものが登場する、非現実的な舞台なのに、どこかリアルで、僕らに問いかけてくる部分がある。そこがすごく好きですね。僕も田舎育ちで、民話や伝説と触れ合いながら育ったことが多少関係しているのかな。地元には河童伝説があって、ゆるキャラのモチーフが、河童なんです(笑)」

 芝居については、ことさら自分の意見を主張したりはしない。でも、彼自身は感覚的というより、緻密に正解を探っていくタイプで、「舞台は、稽古でその答え合わせをしながら気持ちを作っていけるところが、性に合っているのかもしれない」と話す。

 新しい役と出会うたびに、新しい自分の発見がある。でも、デビュー当時から、人に怒られるのが苦手なことだけは、今も変わっていない。

週刊朝日 2016年9月30日号