動物写真家・岩合光昭さんが見つけた“いい猫(こ)”を紹介する「今週の猫」。今回は、宮城・田代島の「猫なで声」の猫です。

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 猫は“入りたがる”生きものだ。箱や袋、何にでも入りたがる。この日も、子猫が植木鉢の水受けに入っていた。

 海外にも「キャット・アイランド」としてその名が知られる田代島は、猫の楽園。野良たちも住人に餌をもらい、暮らしている。とはいえ、競争が激しいのは人の世界だけではないようで、先ほどの子猫も、自分だけの空間を守りつつ、ころんと丸まってにゃあと鳴き、「かわいいでしょ?」と全身でアピール。猫は生まれながらにして、生きぬくすべを知っているのです。

岩合光昭(いわごう・みつあき)
1950年生まれ。動物写真家。NHK BSプレミアムにて「岩合光昭の世界ネコ歩き」放送中。写真集に『猫にまた旅』など多数。

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週刊朝日  2016年9月9日号

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岩合光昭

岩合光昭

岩合光昭(いわごう・みつあき)/1950年生まれ。動物写真家。1980年雑誌「アサヒグラフ」での連載「海からの手紙」で第5回木村伊兵衛写真賞を受賞。1982~84年アフリカ・タンザニアのセレンゲティ国立公園に滞在。このとき撮影した写真集『おきて』が全世界でベストセラーに。1986年ライオンの親子の写真が、米「ナショナルジオグラフィック」誌の表紙に。94年、スノーモンキーの写真で、日本人として唯一、2度目の表紙を飾る。2012年NHK BSプレミアムで「岩合光昭の世界ネコ歩き」のオンエア開始。著書に『日本のねこみち』『世界のねこみち』『岩合光昭写真集 猫にまた旅』『ふるさとのねこ』『ネコを撮る』『ネコへの恋文』など多数。初監督作品となる映画「ねことじいちゃん」のBlu-rayとDVDが発売中。

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