三陸産あわびを軟らかく蒸し、肝と醤油を合わせたソースと有明産の海苔を添えて焼き上げた磯焼き。季節の炊き込みご飯は、じゃこのほのかな苦みと実山椒の香りがご飯の甘みを引き立てる。コースはお任せで1万5000円(税・サ別)(撮影/写真部・東川哲也)
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三陸産あわびを軟らかく蒸し、肝と醤油を合わせたソースと有明産の海苔を添えて焼き上げた磯焼き。季節の炊き込みご飯は、じゃこのほのかな苦みと実山椒の香りがご飯の甘みを引き立てる。コースはお任せで1万5000円(税・サ別)(撮影/写真部・東川哲也)
分とく山 本店東京都港区南麻布5―1―5 営業時間 17:00~21:00(L.O.)定休日 日曜(撮影/写真部・東川哲也)
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分とく山 本店
東京都港区南麻布5―1―5 
営業時間 17:00~21:00(L.O.)
定休日 日曜(撮影/写真部・東川哲也)

 著名人がその人生において最も記憶に残る食を紹介する連載「人生の晩餐」。今回、俳優・歌手の石丸幹二さんが選んだのは「分とく山 本店のあわびの磯焼きと炊き込みご飯」だ。

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 知人の紹介で6年前に初めてうかがって以来、すっかりこのお店のファンなんです。とにかく、野崎(洋光)さんのお人柄と、料理やおもてなしに対するこだわりが素晴らしい。

 和食店とは思えないモダンな外観にワクワクし、カウンターに座れば、次から次へと、旬の素材を使ったお料理が。そのどれもが美しくて、つい、うっとり眺めてしまいます。手際よくきびきびとしたスタッフの方々の動きは、まるで上質なショーのよう。私も舞台では、客席からどう見えるのか、お客さんはどんな気持ちになるのか、常に考えていますが、このお店にも同じ思いを感じますね。

 中でも絶品なのが、あわびの磯焼きと、陶器の羽釜で炊き上げる季節のご飯ですね。あわびはふんわりと軟らかく、磯の香りが存分に楽しめますし、ご飯は毎回、何が出てくるかが楽しみで。実はいつも、ご飯が食べきれなくて、帰りに、きれいな折り詰めにしてくださるんです。一度でいいから、全部、食べ切ってみたいんですけどね(笑)。

■分とく山 本店
住所:東京都港区南麻布5-1-5/営業時間:17:00~21:00(L.O.)/定休日:日曜

週刊朝日  2016年6月17日号