「亡くなったあと、女房の11月の誕生日にケーキを作りましたが、最後のケーキだったとは言いたくありません。今年も来年も作り続けると思います」

 なお美さんと10年来の親交があった漫画家のさかもと未明さんは最近、彼女をしのぶ石版画をつくったという。

 今月19日から22日まで、東京・上野の東京都美術館で開催される女性アーティストの作品展「ベラドンナ・アート展」に、未明さんが撮影し、告別式の遺影に使われた写真と石版画の2点を出品する。版画は、亡くなる3カ月前に描いたスケッチをもとにしたものだという。

「彼女を撮った自分の写真をいつも目の前に置いて仕事をしています。見られている感じがして、がんばらなきゃと思って、私の中でかえって大きな存在になっています。川島なお美という人がこんなにきれいで、すごくがんばったということを思い出してしのんでいただけたらなと思います」(本誌・上田耕司、山下美樹子)

週刊朝日 2016年4月22日号