日本相撲協会の「改革派」と評され、次期理事長の有力候補となっている貴乃花親方。横綱時代から二枚目のサラブレッドとして人気は高いが、「ナニワの石油王」の異名を持ち、1990年代に政官界との癒着が問われた「泉井事件」で実刑判決を受けた元石油商の泉井純一氏や、北の湖前理事長の「右腕」として協会の事務方を取り仕切ってきた50代の経営コンサルタント・K氏など“奇々怪々”な人脈があった。そしてヒートアップする理事長選の行方は?
貴乃花親方の後援者には、K氏や泉井氏の他にも意外な人物がいた。鹿児島市の宗教法人「最福寺」の池口恵観法主だ。
池口氏といえば「炎の行者」の異名を持ち、朝鮮総連本部ビルの落札に名乗りを上げるなど“フィクサー”としても知られる。「最福寺」の護摩行には覚醒剤取締法違反で逮捕された清原和博容疑者や、現阪神監督の金本知憲氏などが訪れる。前述した貴乃花親方のメールは池口氏に宛てたものだ。清原容疑者逮捕後にはこんなメールを送っている。
≪(清原容疑者は)現場へと復帰しこれからは家族、仲間、人生の師の元へ帰ってくるはずです、私がお会いしましたら先生のお言葉をしっかりと伝授いたします≫
貴乃花親方は昨年3月、大阪市内のホテルで約1600人の参加者を集めて後援会の設立パーティーを行っている。この実現には池口氏が奔走したのだという。池口氏がこう語る。
「貴乃花親方は泉井純一氏から紹介されたと記憶しています。引退した一門の弟子の就職を世話してほしいというので、阪神など関西の上場企業に協力してもらい、後援会を立ち上げた。護摩行にも昨春、一門の親方たちを連れて一度来ていただいています。貴乃花親方は性格が素晴らしく、いずれ理事長になる方だと考えています」
池口氏と貴乃花親方の両者を知る関係者もこう語る。