留学生が語るニッポンの魅力と不思議とは?
留学生が語るニッポンの魅力と不思議とは?

 現在、東京大学に在籍する留学生の数は、約2900人。グローバル化が盛んに叫ばれる昨今、日本のトップ大学で彼らは何を学んでいるのか? そして外国人の目に映るニッポンの魅力、不思議とは?

 東大の正門を潜ると、銀杏並木が目に入る。この季節は、黄色い銀杏の葉が舞うさまが粋だ。

 メディア・スタディーズとされる学際情報学府の女子学生たちの研究はユニークだ。赤門左手の真新しいビル内で、それぞれ声を掛けた。

 幼いころからの親友が日本人で、浴衣や和食を好みながら成長したニコル・ハズバム(カナダ・23)は、ニコニコ動画、引きこもりと2ちゃんねるを題材に修士論文を準備中だ。

「2ちゃんねるって、自分の名前を言わず、ゴシップを信じ、他者を攻撃する。驚きでもありナンセンスでもある。アメリカにも2ちゃんねるに似たものがあるけれど、オリジナルは日本でしょう。だから、日本で勉強したかった。最近『引きこもり』って、英語の辞書にも載っているの。アメリカの子は10代で働くことを余儀なくされるケースが少なくないけれど、日本は親が庇護しながらもスポイルする。その実態を確かめたいわ」

 ハズバムは終始笑顔だった。秋学期から東大生になったため、日本に住み始めてほんの数カ月だが、楽しくて仕方ない、と白い歯を見せた。

 ドイツからやってきて、韓流を修士論文のテーマとするフェルナンダ・ブランツ(26)は、『ワンピース』を愛読し、祖国の大学で日本語を専攻した。毛先を赤く染めたヘアスタイルに若さが迸る。

「現代日本社会の問題として、西側諸国がどう福島原発を報じたか?なんて勉強をしました。他には、『勝ち犬と負け犬』という語をメディアがいかに報じているのか、といった題材に触れました。韓流が日本社会にどんな影響を与えているのか。多くの日本人にインタビューしたいです。また、K―POPも大好きなので、コンサートに出かけて、日本人ファンを見つけたい。新大久保なんかにリサーチに行っています。日本語を毎日使えるのが嬉しい」

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