夫:人気エッセイストの小池真理子が、パリ帰りのジゴロみたいな男にひっかかったと。おまけにそいつは、弁護士を立てて離婚係争中だって。誰とももめてないっていうのに。

妻:今はもうない、祥伝社の「微笑」でした。たまたま編集者と懇意だったので、事情を説明して、どうにか普通の交際報道におさめて。

夫:僕は長年不在だったので、住民票が抹消されてた。当然、国民健康保険も厚生年金もない。二人で部屋を借りようにも、彼女名義じゃないと契約できない。

妻:契約のとき、彼がいないところで不動産屋の担当者が「ああいう男は絶対だめだ。まだ間に合うから別れなさい!」って。もう、おかしくておかしくて。それでも、不思議と不安はありませんでしたね。

夫:僕も彼女がそんなに有名なエッセイストだなんて知りませんでした。本屋には彼女の本が並んでるし、雑誌にも出ていた。へぇ、と思って手に取ってみたら、彼女、「こんな男はやめなさい」的なことを10カ条にしていて。僕、そのうち九つあてはまるんですよ! さすがに笑いましたね。

週刊朝日  2015年10月9日号より抜粋