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 84年に「白井貴子&CRAZY BOYS」を結成し、「ロックの女王」と呼ばれた歌手の白井貴子さん。同グループのギタリストであり、夫の本田清巳さんとは毎日のように告白されて結婚に至ったという。

*  *  *

妻:とにかく変な人なんですよ。見た感じ、そんなに男臭いタイプじゃないんだけど、中身は頑固。

夫:あのバンドはみんなそうだったよ。

妻:おかげでリーダーの私は苦労しましたよ。まぁ、それが80年代に20代だった、あのころの若者の良さかな、とも思いますけど。

夫:人の言うことをまったく聞かないヤツばっかりで。

妻:誰か別のプロデューサーが全部お膳立てしてくれて、私はただ歌えばいいっていうバンドじゃなかった。私が作詞・作曲して、譜面に起こしてメンバーに配って。各パートのアレンジはメンバーに意図を伝えてお願いして。それをリハーサルですり合わせてまとめ上げる作業。完成するまで、私は睡眠時間削って、つきっきりでしたね。

夫:みんなそれぞれに自分なりのプレイがあるというか、出したい音があるんだよね。だから相手に合わせる気がない(笑)。でも、リスペクトし合ってるからこそぶつかり合えるわけで、そんな個性がガッチリ組み合わさったときには、化学反応が起きたみたいに、ものすごいサウンドになった。

妻:当時、事務所に所属してるのは私一人で、彼らはあくまでバックバンドっていう位置づけだったんです。みんな、私よりいいギャラ、もらってたはずよ(笑)。だけど、私が目指しているのはバンドサウンドだった。だから契約がどうであれ、バンドとして、妥協のないレコーディングをして、磨き上げた音をそのまま持ってツアーに行くことにこだわりましたね。

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