初回放送は、連ドラで医師役を演じる斎藤工がわざわざ白衣姿で登場した。すると安藤は、

「私27年間ニュースをやってきて、それが終わった途端、39度の熱が出たんです。今日も本調子じゃないの。診てほしい!」

 と、相変わらずの報道愛をチラつかせつつも、セクシー俳優にノリノリで絡んだ。が、トップニュースは「三菱電機の液晶テレビが突然真っ暗になるトラブル」と地味な上、芸能ニュースを解説する週刊女性編集部の荒木田範文氏の肩書をテロップで「週刊文春」と間違えて訂正するというバタバタの展開だった。

 その分、首位にある「ミヤネ屋」はそつのなさが際だった。司会の宮根誠司はいつもどおりの笑みを浮かべ、「他局も変わりましたから」とあえて触れた。リニューアルしたスタジオセットは「大塚家具です。全部」と時事ネタでボケる余裕を見せつけ、結果は視聴率に顕著に表れた。「グッディ!」は第1部3.6%、第2部2.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区、以下同)だったのに対し、「ミヤネ屋」は7%台。ダブルスコアでフジが惨敗した。上智大の碓井広義教授(メディア論)が分析する。

「安藤さんは今までの夕方のニュースと変わらない印象。彼女は顔に出るタイプで、やわらかいネタでの反応の鈍さが視聴者にはわかりやすかった。常に『私が』と前に出ていこうとする安藤さんに対し、高橋さんはまだ自分をどう位置づけるかがつかみきれず、制作側もそこが見えておらず、視聴者もどう見ていいのかわからなかった」

 前出のフジ社員も言う。

「安藤さんが自分の言いたいことを半分に抑え、『オバちゃんキャラ』になりきれたらという意見も出ています。ただ、スパルタな安藤さんと、テンパった自分を隠さない高橋さんのコンビが夫婦漫才のようなやりとりでハマってくると数字は上がるのではないか」

週刊朝日 2015年4月24日号より抜粋