東尾修の予想は巨人とSB…意外な優勝の理由は? 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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東尾修の予想は巨人とSB…意外な優勝の理由は?

連載「ときどきビーンボール」

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週刊朝日#東尾修

 西武ライオンズの元エースで監督経験もある東尾修氏は、優勝予想で重視した要素は救援陣だと分析する。

*  *  *
 プロ野球がいよいよ開幕した。私も開幕戦はヤフオクドームでのソフトバンク‐ロッテ戦のテレビ解説を行った。開幕カードで勢いをつけたチームもあるが、まだ始まったばかり。方向性をしっかりと持って戦ってもらいたいと思う。

 評論家の宿命として、春先に待っているのは優勝予想だ。キャンプ、オープン戦を通じた戦力、仕上がりだけで判断するから非常に難しい。主力に故障者が出れば、その順位は大きく変わるし、特に今年は新監督が5人もいる。未知数な部分も多い。そんな状況で予想しなければならないから頭を悩ませるよな。

 私の予想はセ・リーグが巨人、広島、阪神の順でAクラス。BクラスはDeNA、ヤクルト、中日だ。上位3チームは本当に混戦だと思う。DeNA、ヤクルトにもプレーオフ進出のチャンスは残されていると思うよ。パ・リーグはソフトバンク、オリックスが2強で、西武、ロッテ、日本ハム、楽天の順だ。上位2球団の戦力は抜けている。よほど主力にアクシデントがないかぎり、この二つが優勝争いするだろう。3位争いは熾烈だが、OBとして西武にはぜひとも頑張ってもらいたい。

 私が順位を予想する上で重視する要素がある。それは7~9回の試合終盤を締める投手の質だ。絶対的な守護神がいるのはもちろん、セットアッパー、そしてワンポイントを含め、ラッキーセブンといわれる7回を0点で抑えられる投手がいるのか。先発投手は、6人全員が年間を通じてローテーションを回ることは難しい。7回以降の投手が万全であるならば、ごまかしがきく。後ろがそろっていれば、先発投手も、6回まで何とかリードしてバトンをつなげばいいという精神的な余裕が生まれてくる。打撃はどうしても年間を通じて波がある。過去に評論家の順位予想を覆して優勝してきた球団は、救援陣が充実しているところが多い。

 私も西武監督時代に、救援陣の強化を常に念頭に置いていた。2001年シーズン。前年に23セーブを挙げていた森慎二の調子が春季キャンプ前からおかしかった。私は投手コーチにも「豊田という選択肢も頭に入れておいてくれ」と話をしていた。豊田清は先発ローテーションの一人ではあったが、1試合を投げきるスタミナという点で不安があり、5回前後で降板というケースがあった。

 本人もわかっているから球速も140キロ前後で加減しながら投げていた。だが、短いイニングなら145キロ前後が出るとわかっていたし、速球の制球力は私が見た中でのナンバーワン。そこにフォークボールという空振りが取れるウイニングショットがあった。森がキャンプを通じて不振だったため、開幕直前に豊田のクローザー起用を決断したことを思い出す。

 私が監督就任1年目の1995年、リーグ優勝したオリックスの仰木彬監督の救援陣の起用に感心させられた。鈴木平、平井正史という8、9回を抑える投手がいたが、一番やっかいだったのは左腕の野村貴仁だ。7回だけでなく、6回から9回までの試合のポイントで投入された。試合終盤の反撃ムードを何度断たれたことか。

 さて、一番の願いは最後の最後まで熾烈な優勝争いが繰り広げられること。予想すらできない、筋書きのないドラマを期待したい。

週刊朝日 2015年4月10日号


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東尾修

東尾修(ひがしお・おさむ)/1950年生まれ。69年に西鉄ライオンズに入団し、西武時代までライオンズのエースとして活躍。通算251勝247敗23セーブ。与死球165は歴代最多。西武監督時代(95~2001年)に2度リーグ優勝。

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