東京都に住む川原典子さん(仮名・67歳)は、若いころから強い近視だった。運転免許の更新時に受けた視力検査で、右目は真ん中が暗くて見えにくく、線が歪み、文字が欠けて見えることに気づいた。近くの眼科を受診すると、「マイナス15ディオプター(D)の強度近視だから治療できない」と言われた。
ディオプターはレンズの度数を表す単位で、近視でも遠視でもない正視を0とし、近視はマイナスの数字になる。日本では、マイナス3D以下を軽度近視、それを超えてマイナス8Dまでを中等度近視、マイナス8Dを超えるものを強度近視とすることが多い。
川原さんはなんとか治療したいと思い、インターネットで調べて、「強度近視外来」のある東京医科歯科大学病院眼科を受診した。
近視の程度を裸眼時の視力で判断する人は多いだろう。だが、同外来を担当する大野京子医師はこう言う。
「裸眼視力はあてになりません。強度近視かどうかは、次の方法で自己チェックしてみてください」