介護漫画作者「認知症患者は花形役者」 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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介護漫画作者「認知症患者は花形役者」

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くさか里樹(くさか・りき)1958年、高知県生まれ。中学時代から漫画を描き始める。高知県立高知追手前高校卒業後、高知市内の授産施設「昭光園」に勤務。80年、「別冊少女コミック」で「ひとつちがいのさしすせそ」でデビュー。代表作に『ケイリン野郎 周と和美のラブストーリー』(1~56巻、ジュディーコミックス)、『ヘルプマン!』(1~27巻、イブニングKC)がある。2011年、「ヘルプマン!」で第40回日本漫画家協会賞大賞受賞。12月22日発売の本誌新年合併号から、「ヘルプマン!!」を連載開始(撮影/写真部・東川哲也)

くさか里樹(くさか・りき)
1958年、高知県生まれ。中学時代から漫画を描き始める。高知県立高知追手前高校卒業後、高知市内の授産施設「昭光園」に勤務。80年、「別冊少女コミック」で「ひとつちがいのさしすせそ」でデビュー。代表作に『ケイリン野郎 周と和美のラブストーリー』(1~56巻、ジュディーコミックス)、『ヘルプマン!』(1~27巻、イブニングKC)がある。2011年、「ヘルプマン!」で第40回日本漫画家協会賞大賞受賞。12月22日発売の本誌新年合併号から、「ヘルプマン!!」を連載開始(撮影/写真部・東川哲也)

くさか里樹さん(左)と林真理子さん(撮影/写真部・東川哲也)

くさか里樹さん(左)と林真理子さん(撮影/写真部・東川哲也)

ヘルプマン!(1)

くさか里樹著

978-4063520705

amazonamazon.co.jp

 介護の現状と課題をリアルに描き、話題を呼んだ漫画「ヘルプマン!」。漫画誌で一区切りを迎えたこの作品が、「ヘルプマン!!」と生まれ変わって、本誌新年号から連載スタートする。作者のくさか里樹(りき)さんと作家の林真理子さんが対談で介護のイメージを話した。

林:介護を取り上げた漫画って“ほのぼの4コマ”みたいなものが多い気がするんですが、「ヘルプマン!」は写実的で、あまりの迫力にびっくりしました。介護に排泄(はいせつ)ケアは欠かせませんが、ウンチをシリアスに描くのって難しいから、リアルな描き方が避けられてきたのかなと思ったんですが。

くさか:アンタッチャブルな面はありますが、みんな毎日してるんだし、あたりまえのものですよね。私、ウンチ大好きなんですよ。便秘症だから(笑)。

林:私もすごい便秘症なんですよ。

くさか:ウンチが出ることがすごく幸せなので、「さっきまでおなかにあったのに、出た瞬間そんなに嫌うなよ」って思ってしまうんです(笑)。表面のきれいなものだけじゃなくて、あたりまえのものをあたりまえに愛したほうがいいし、あるものはそのまま描いちゃえと思って。

林:なるほど。介護って、「一家崩壊」とかマイナスのイメージが強いですが、くさかさんは「介護はクリエーティブである」とおっしゃってますよね。

くさか:私は取材していくなかでそれを実感したんですが、伝えるのはなかなか難しいですね。

林:ポジティブにはとらえにくいですよ。「ボケたらどうしよう。ウンチだらけで、そこらへんをさまよい始めたら」とか、そんなことばっかり考えちゃいますし。

くさか:素晴らしいお仕事をされてるプロの方がたくさんいますから、そういう方の手を借りて適切なケアを受けたら、そこまで悲惨な状態にならずに済むと思うんです。家族がパニックになると本人もパニックになっちゃうし、それでどんどん悪くなってしまったり。「地獄だ」と思い込んだら、自分が損ですよね。

林:そうですけど……。

くさか:もちろん楽しいことばかりじゃありませんが、素敵なドラマって、認知症の方から生まれることが多いんです。話しかけてもほとんど反応がなかった寝たきりの人が、昔大好きだった音楽をかけてもらった瞬間、歌いだして笑いながら死んでいったとか。奇跡みたいな、でも本当はあたりまえかもしれない話が、山ほどあるんです。

林:へーえ。

くさか:だから私には花形役者さんにしか見えないんです、認知症の方って。

林:それはすごいですね。

週刊朝日  2014年12月19日号より抜粋


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