女性特有の妬みや僻みも“シングルマザー専用”シェアハウスの問題点 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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女性特有の妬みや僻みも“シングルマザー専用”シェアハウスの問題点

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 女手一つで子どもを育てるシングルマザーが増えるなか、都市部を中心に民間業者が運営する「専用シェアハウス」が生まれつつある。

 民間ならではの柔軟さが特徴のシングルマザー専用のシェアハウスについて、自身もシングルマザーでの子育て経験がある家族問題研究家の岡野あつこさんは高く評価する。

「離婚で自分の心が揺らいでいるのに、毎日の子育てものしかかり余裕がなくなってしまう。母親は肉体的にも精神的にも、周りが想像する以上に大変で、虐待とまでいかなくても子どもにイライラをぶつける原因になるんです。自分を助けてほしいから、誰かの子どもの面倒を見てギブ・アンド・テークしたい。そんな心理を踏まえたシステムに感じられます」

 だが、メリットばかりでもない。シングルマザー専用のシェアハウスのペアレンティングホームでは実際、子どもの夜泣きがひどく、わずか1カ月で退去を余儀なくされた人がいる。そのほか、恋人の男性を泊まらせて問題になったこともあったという。こうしたトラブルを未然に防ぐ対策として、「ペアレンティングホーム」を企画運営する1級建築士の秋山怜史さん(33)は2~3カ月に1度は入居者を集めたミーティングを設けているという。

 児童福祉に詳しい武庫川女子大学発達臨床心理学研究所の才村眞理さんが分析する。

「一般的にも、他人同士の共同生活は、簡単ではありません。譲るところは譲って、主張すべきは主張しないと、逆にストレスがたまってしまう。ルールを理解し納得した上で入居することが大切で、決して万人に向いている住まい方とは言えない面があります」

 前出の岡野さんは、伴侶不在で子育てをする女性同士で暮らす問題点を指摘する。

「同じ母子家庭でも抱えている状況はバラバラで、互いが100%わかり合うことは難しく、中途半端に境遇が似ていると比較してしまう。すると女性特有の妬みや僻みという感情が生まれやすいのではないでしょうか」

 才村さんが提案するのは、シェアハウスを一時的な住居として利用することだ。

「子どもが思春期を迎えると、入居し続けるのが難しくなってくる場合もあるでしょう。入居の際に期間を決め、次の住居へ移るために資金をためるなど、目的を持ってスタートすると良いのではないか。欧米に比べ、日本は一人親に対する支援がまだまだ遅れている。共働きでも子育ては大変なことで、経済的にも精神的にも“ゆとり”が持てるよう、行政も力を入れて取り組むべきです」

 シングルマザー専用のシェアハウスは都市部にでき始めたばかり。“先駆的存在”の秋山さんが言う。

「まだまだ手探りの状態ですが、母子家庭のステップアップを助ける新たな選択肢の一つにしていきたい」

週刊朝日  2014年10月31日号より抜粋


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