名子役の鈴木福くんや、「こども店長」加藤清史郎くんなども、実は赤ちゃんタレント出身である。わが子を「赤タレ」にするママたちの思いはどんなものか。

 大泉洋主演映画「トワイライト ささらさや」に出演する「売れっ子赤タレ」加藤楷翔くん(1歳)は、4人きょうだいの末っ子。ママ・恵美さんは楷翔(かいと)くんを出産後、すぐ赤タレにする決意をした。

「上の3人はみんな普通の赤ちゃん顔だったのに、この子は最初から二重まぶたで目が大きくてスッキリ! すごい美形だったので」

 実は恵美さんも幼いころに少し子役経験があるそうで、その夢を継ぐかたちだ。

「人見知りは全然しないのでラクですが、荷物や移動のほうが大変。ミルクやオムツ、着替えなどを持って、抱っこひもで8キロのわが子を抱っこして電車に乗って、映画撮影のときは3日間連続朝7時に三浦海岸まで行きました(笑)」

 撮影前にミルクをあげたり、お昼寝をとらせたり、眠るシーンの撮影前は、逆に本番で寝られるようずっと起こしておいたりと、赤ちゃんの「眠い」「おなかすいた」などをコントロールする時間管理もママの仕事。赤タレ仕事の喜びも大変さも、赤ちゃん自身ではなくママのほうが大きいのだ。

 ところで、赤タレのギャラっていくら?

「雑誌ですと数千円から数万円程度、テレビCMで30万~40万円が一般的です。ただ、事務所の登録料は、高いところで年間40万円ほどで、そこにレッスン料や、プロフィル写真撮影料4万円程度が加わることもあります」(赤タレ業界関係者)

 仕事が来る子は、子役まで長く続けることも多いが、事務所に登録料だけ支払って、レッスンを受け続け、一度も仕事がないままやめていく子も多数いる。シビアさは、大人の芸能界と同じである。

週刊朝日  2014年10月17日号