東大の合格発表の日、最難関を突破した合格者152人に、週刊朝日はアンケートを実施した。「合格して一番したいこと」を尋ねてみると、学生たちの意外な素顔が明らかになった。

「おめでとうございます!!」

 東大の本郷キャンパスで、合格の興奮さめやらぬ彼らに声をかけ、祝福とともにアンケートをお願いした。まずは「合格して一番したいこと」を聞くと、「めいっぱい遊びたい!」「歌いたい!」など、喜びと解放感いっぱいの声が集まった。

「お世話になった人に報告したい」「支えてくれた先生や友達に感謝したい」など14人が殊勝な回答。目を引くのは、「経済の勉強をしたい」「生物の勉強」などと、8人が「勉強」と答えたことだ。勉強に明け暮れてつかんだだろう合格の瞬間、なお勉強したいとは驚くが、受験に詳しい安田教育研究所の安田理代表はこう解説する。

「東大合格者の中には、勉強が苦ではなく、むしろ楽しいといえる子たちがかなりいるんです。彼らが多く通う私立の中高一貫校では、授業でプレゼンをさせるなど、意識的に向学心を植え付ける授業をしていることもあるでしょうね」

 ちなみに、アンケートの回答としては他にも次のようなものが寄せられた。受験生らしいものから、さすがは東大生と思わせるものまで、多様な回答が集まった。

「叫びたい、『よっしゃー』」(文I・男/1浪)
「胴上げされたい」(文I・女/現役)
「自慢」(文I・男/現役)
「おいしいもの巡り」(文III・女/現役)
「みんなに感謝の気持ちを伝えたい」(理I・男/現役)
「ピアノ弾きたいです」(文III・女/現役)
「今まで興味があったことを学びたい、政治学」(文I・女/1浪)
「とにかく文学にふれたい」(文III・男/現)
「医学」(理III・男/現役)

週刊朝日 2013年4月19日号