
女子受験生の共学志向の高まりとともに、1980年代以降、志願者が減少してきた女子大。ところが最近、女子大人気に復活の兆しが見え始めている。
東京女子大が1417人増えたのを始め、日本女子大は823人、清泉女子大は235人、大妻女子大は421人、東京家政大は605人の志願者増となった。今年の結果について、大学通信ゼネラルマネージャーの安田賢治氏は次のように分析する。
「センター利用入試や複数日入試などを導入する女子大が増え、受験しやすくなったのが志願者増の一因でしょう。不況が続く中、浪人して親に負担をかけることはできないと、共学大よりも倍率が低めの女子大を滑り止めにする安全志向がみられます」
また、大学行政管理学会の女子大学研究会代表で、武庫川女子大情報システム室室長の私市(きさいち)佐代美氏は、「資格取得や実学に力を入れるなど、教育改革に成功して活気がある女子大が、志願者を増やしているようです。カリキュラムに加え、設備などの快適さにひかれて志願する女子も多いのではないでしょうか」と話す。
日本に女子大が登場したのは1948年。戦後の学制改革で、津田塾大、東京女子大、日本女子大、聖心女子大、神戸女学院大の5校が旧制の女子専門学校から大学に「格上げ」された。以降設立が相次ぎ、60年代半ばから急増。67年には80校に達し、98年には98校とピークを迎えた。だが、その後は減少傾向が続き、現在は78校になっている。
※週刊朝日 2013年3月1日号