ゴルファー中嶋常幸がスランプになったわけ 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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ゴルファー中嶋常幸がスランプになったわけ

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 プロゴルファーの中嶋常幸は、史上最年少の18歳でアマ日本一に。青木功、尾崎将司とともにAON時代を築くが、1995年からスランプに陥った。それは自分をゴルフへと導いた父の死が原因だった。中嶋父子は、アニメ「巨人の星」の星飛雄馬・一徹親子の物語と重ねあわせて語られることが多かったという。

*  *  *
 父は星一徹のようなスパルタおやじだと思われていたようですが、まったくの誤解です。僕を叱るにしても、人のいるところで叩くようなことはしません。怒る時はほとんど、人のいない所でした。子供のプライドがキズつかないように、考えてくれていたんです。

 ところが、息子をプロゴルファーにしようと思っている父親が、人が見ている所でも平気で息子を叩いたりするのをときおり見かけます。スパルタ教育を誤解しているんでしょう。見ていて、子供が可哀想でした。そんな怒り方をすれば、子供がゴルフを嫌いになるに決まっています。父がどう思っていたかわかりませんけど、星一徹と重ねて語られるのは、迷惑だったような気がします。

 父はトーナメントにはほとんど来てくれていましたし、僕も子供を連れて家には顔を出していました。孫には甘い父でした。亡くなったのはトーナメント中だったので、死に目にもあえなかったんです。父はゴルフの師匠である以上の存在だったんですね。優勝しても褒めてくれたのは1回だけでしたけれど、心のどこかでいつも、「おやじ、見ていろよ」という父親に対する反抗心、反骨心というか、一種ライバル心というか、もろもろの感情をぶつける相手がいなくなったわけです。スイングもバラバラ、パットで手が動かなくなるし、もうゴルフはやめようかと思ったこともありました。

 やめずに続けることができたのは友人やファンの応援はもちろんですが、女房の存在が大きかったですね。結婚して女房と教会に行き、信仰の支えもあってはい上がれました。

週刊朝日 2012年11月23日号


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