2人に1人ががんになる時代。がんと食事の関係は密接で、たばこと同じくらい影響が大きいともいわれている。これらの因果関係の最新情報をお伝えしよう。

 お茶は昔から「延命の妙薬」として飲み継がれてきたが、がん予防、生活習慣病や感染予防など幅広い効能が近年、世界的に見直されている。静岡県立大学名誉教授の伊勢村護さんが、緑茶のパワーについて話す。

「健康効果はカフェインやテアニンにもありますが、がんに関してはエピガロカテキンガレートというカテキンが主。緑茶の中にはそのカテキンが多く含まれています。紅茶やウーロン茶も緑茶と同じ植物の葉を使ったお茶ですが、発酵過程でカテキンは減少します」

 以前は緑茶の抗がん効果は抗酸化作用によると考えられてきたが、その後、カテキンががん細胞にアポトーシス(自死)を起こさせることが判明したという。

「10年ほど前にお茶は胃がんリスクを減らさない、という発表がありましたが、最近の解析で、女性に限れば緑茶が胃がんを抑制するという結果が出たほか、イタリアでは前立腺がんへの効果、アメリカでは陰部のイボへのカテキン軟膏の効果が認められています」(伊勢村さん)

 抗がん効果が高まる飲み方や選び方はあるのか。

「熱いお湯ほどカテキンが抽出されるので、80度ほどでいれてから少し冷まし、茶葉は2回くらいまでで替えるのがいいでしょう」(同)

※週刊朝日 2012年7月13日号