野田政権が3月30日、国会に提出した消費増税法案には相続増税も盛り込まれた。可決されると2015年から、4人家族で4800万円を超える遺産があれば、相続税の支払い義務が生じる可能性がある。節税のために親は、子は何ができるのか。
 国税庁によると、全相続財産のうち不動産の割合は約6割にのぼる。すなわち、不動産の評価額を下げられれば、ほとんどのケースで大きな節税効果を生むことができる。そのポイントについて、『生きているうちに相続税をゼロにする方法』(幻冬舎)の著者で、マックス総合税理士法人の武石竜税理士は「『小規模宅地等の特例』が自宅に適用できるか、あるいは適用できる状況を持っていけるか」だという。
「小規模宅地等の特例」とは、自宅の土地であれば240平方メートルまでは評価額を80パーセント減額できる制度だが、10年度から適用条件が厳格化された。現在は子が80パーセント減額を受けるためには、亡くなった人と「生計を一にする同居」をしていたことが条件になったのだ。
 そこで2世帯住宅が注目されている。
「望ましいのは自宅の中で行き来できるタイプです。屋内に両家をつなぐドアをつけるかどうかが、節税の成否に大きく関わってくる」(武石さん)
 2世帯住宅にしたのをきっかけに、孫を養子にするのもいい。法定相続人が1人増えれば、基礎控除が1千万円(改正後は600万円)分増えるからだ。

※週刊朝日

 2012年4月20日号