障害者の“性”と向き合えぬニッポン (1/4) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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障害者の“性”と向き合えぬニッポン

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 障害者の性はタブーに満ちている。

 介護福祉士になるためのテキストには女性の月経に対するケアの項目すらなく、15年ほど前までは、本人の同意なしに子宮を摘出する手術が「公然の秘密」として行れていたという。

「私も母からよく『月経のケアが大変だから、女の子は子宮を取ってしまうこともあるそうよ』と聞かされました」

 と言うのは、脳性まひによる四肢のマヒや言語障害を抱えながら、23歳のときに長男を出産した京都市の大畑楽歩(らぶ)さん(33)だ。

「私が幼いころはまだ『障害者が母になる』ことに対して否定的な風潮がありました。脳性まひの妊婦を引き受けてくれる医者を見つけることすら困難で、見つけても『これが社会の暗黙のルール』だと言わんばかりに中絶させられることもあったそうです。それなのに私は『お嫁さんになる』と無邪気に言うもんだから、よく母に『できるわけがないでしょ! もっと現実的な夢を持ちなさい』と、怒られていました」

 楽歩さんに初潮がきたのは15歳のとき。最初は母にナプキンを交換してもらっていたが、そのたびに「子宮を取るのはいくらなんでもねえー」という話になるのが嫌で、試行錯誤の末に、自分で取り換えられるようになったという。

「今のナプキンは袋を開けるだけで下着につけられる状態になりますが、当時は袋を破り、シールを3枚はがし、と準備に手間がかかった。途中で落とすと大変で、交換するだけで20、30分はかかってしまう。毎回うんざりしてましたよ」

 そんな楽歩さんは、成人した年に初めて男性と付き合った。理学療法士で、今の旦那さんでもある真一さんに告白されたのだ。

 とまどいながらも受け入れ、交際が始まった。キスは1カ月後だったが、体は結婚まで許さなかったという。その理由について、楽歩さんはこう話す。


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