被災地ボランティアのはずが 「27時間テレビ」の怪 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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被災地ボランティアのはずが 「27時間テレビ」の怪

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 東海テレビは、岩手県産米のプレゼント当選者として「怪しいお米セシウムさん」などのテロップを流す大失態を犯したが、実は系列キー局のフジテレビも、看板特番をめぐって被災地で大ブーイングを受けている。

 問題の番組は7月23、24両日に放送された「27時間テレビ」で、明石家さんまや今田耕司ら多くの芸能人が宮城県南三陸町を訪れ、歌やコントの「復興スマイルライブ」を生中継した。ところが、この特設会場に多くの一般ボランティアが動員されていたのだ。

 7月23日午前7時、ある旅行会社が参加費3500円で募った個人ボランティアを乗せたバスがJR仙台駅を出発した。42人の定員いっぱいで、地元ボランティアセンターからの指示を受けて南三陸町の志津川中学校へ直行。そこで待ち受けていた「ボランティア作業」が、27時間テレビの会場設営だった。

 42人の男女に配られたのは、首から下げる「スタッフ」パス。番組スタッフらしき女性に指示されながら、男性はテントや土嚢の設営を、女性は飲み物の仕分け作業などを手伝わされた。

 この日帰りツアーには、関西や九州から駆けつけた人もいた。作業に取り組む間、何度か声が上がった。

「遠くから時間をかけて来たのに、なんでテレビ局の仕事を手伝うんだろうね」

「これってフジテレビへのボランティアじゃない?」

 42人も動員したおかげで午前10時からの作業は正味2時間ほどで終了し、それ以外はずっと「休憩」。午後4時までの予定だった「ボランティア」は3時で打ち切られて帰路へ......。

 旅行会社の担当者は、
「何度かボランティアバスを企画してきて、これまでは民家の泥かきなど普通の作業を紹介されてきました。今回に限って、『お祭りの手伝い』と言われて引き受けましたが、不満を感じられたお客様もいて、申し訳なく思っています」
 と語る。ボランティアセンターの担当者はこう言う。
「フジテレビからは『27時間テレビ』と同じ場所で『復興市』を開くのに人手がほしいと依頼がありましたので、『復興市』に要するテントなどの設営に限って人を割り振りました」

 翌24日に「復興スマイルライブ」を見た役場職員は、
「約3千人の観客が集まって、ライブが始まる前は無名の芸人さんが前座でショートコントをしたり、本番の盛り上げ方を指導したりしてましたね。ボランティアが設置したテントではタコのから揚げやカキ氷などが振る舞われてました」
 と振り返る。この日もボランティアに訪れていた関西の高校生らが、駐車場での誘導や入場の受付などに動員されていたという。

 フジテレビに質問すると、
「『復興スマイルライブ』はフジテレビの『27時間テレビ』を契機としたものですが、南三陸町に企画趣旨をご理解、賛同いただいた、町の復興を目的としたイベントであると認識しております」
 との回答だった。

 娯楽を届けるのも立派な仕事だが、それが果たして民家の泥かきや片付けを差し置いてまで敢行すべき「ボランティア」だろうか。 (本誌取材班)


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