24時間は、神様に与えられた時間。時間の使い方は自分たち人間に任せられているので、どう使うかが大事ですよね。いかに目標に向かって、ベクトルを野球に向けられるか、24時間のなかで野球のことをどれだけ考えられるか。そう思う選手の多いチームが日本一になれると思いますし、自分自身、その思いを強く持ち続けてこそトップになれると思っています。

 

 ――野球が好き。その一点に尽きるのかもしれないが、菊池の人格形成の原点はどこにあるのか。

 岩手独特の人の温かさや人との巡り合わせ、今の自分は岩手に育てられたと思っています。野球に関してもデメリットはまったく感じませんでした。小・中学校時代には全国大会に出させてもらい、レベルの差も感じなかったです。岩手だから無理なんだと自己限定はしなかったですし、岩手の人間でもできるんだということを証明したかった。

 厳しい冬がある土地のなかで、かつて駒大苫小牧(北海道)が甲子園で優勝しました。それは励みになったし、言い訳ができなくなりましたよね、明らかに。だから、北海道ができるんだったら岩手でもできるだろうという気持ちは強かった。岩手だから逆にできたんだ、岩手人の人柄や温かさがあるからこそ、すごいピッチャーになれるということを証明したかった。

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