コロナで始まらない「大学生活」 地方出身の東大生が直面する苦悩 (1/2) 〈東大新聞オンライン〉|AERA dot. (アエラドット)

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コロナで始まらない「大学生活」 地方出身の東大生が直面する苦悩

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東京大学新聞社 中野快紀東大新聞オンライン
Aさんが3月下旬に入居した部屋は生活の準備が整っていないままだ(写真は本人提供)

Aさんが3月下旬に入居した部屋は生活の準備が整っていないままだ(写真は本人提供)

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴いオンライン授業が全面的に実施され、キャンパスに通学しない新学期が始まった。大学からも不要不急の外出を控えるよう求められ、キャンパスに日常が戻ってくる見通しは立っていない。本来なら実家を離れてキャンパスに通っていたはずの学生はどのような思いでこの混乱の中を過ごしているのか。東京に残らなかった学生、残った学生それぞれに話を聞いた。(東大新聞オンラインより転載)

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 新型コロナウイルスは実家を離れて学ぶ学生の生活に大きな影響を与えている。小池百合子東京都知事は3月23日、首都大学東京(現東京都立大学)に入学予定の学生に対し、東京への転入を自粛するように要請した。しかし同大学は2日後の25日、予定通り引っ越しを行っても問題ないという見解を表明。都と大学、それぞれの発表に対し、引っ越しを直前に控えた学生には混乱が生じた。

 問題は東大でも同様だ。九州出身で、1年間の浪人生活を経て理IIに入学したばかりのAさんは、諸手続きなど新入生向けの行事に合わせ3月下旬に上京し、新居に入居した。長距離移動による感染リスクが指摘される中「(3月19日に教養学部から)オンライン授業の導入が発表されていて、対面型の授業がないかもしれないのにわざわざ諸手続きに来させるという対応は疑問に思いました」。

 結局、諸手続き以降に実施予定だった新入生向けの学部ガイダンスやサークルオリエンテーションなどの行事が中止になったため、28日に帰省。買い占めが始まったり、万が一ロックダウンが起きた場合に実家に帰れなくなったりすることを懸念した、家族と相談した上での決断だった。4月24日現在も実家で授業を受けている。4月から生活予定だった新居はほとんど生活の準備ができていない。「東京での生活がいつ始まるのか分からないので仕方ないことですが、実家にいる間の新居の家賃が本当にもったいないです」

 授業を受けるに当たっては、1日の生活のほとんどを自宅の中で過ごすことにより、授業以外の時間とのメリハリが付けにくくなることを心配している。「一度出席しなくなったときにオンとオフの切り替えができなくなって、そのまま授業についていけなくなりそうなのが怖いですね」。一方で、3月中にオンライン授業の導入を決定した東大の対応については、授業開始を5月以降に遅らせた他の一部の大学に比べると早かったと評価している。

 現在東大ではオンライン授業と並行して、ウェブ会議システム「Zoom」などを使用したサークルの新歓活動が積極的に行われている。しかし「オンラインで顔を出すことに抵抗感があった」というAさんはサークルの新歓イベントには参加せず、しばらくサークルに入る予定もないという。「今はTwitterなどのSNSで他の東大生と接点を持つことが多いです。ただ、浅いつながりになることも多いだけに、時間が経つにつれて人付き合いがおっくうになるかもしれません」

 クラスメートらとオンラインでコミュニケーションを取る中でも、主に首都圏出身の一部の学生の間で入学以前からのコミュニティーが存在することに戸惑う場面も多いという。大学生活は始まったばかりだが、入学前から存在するコミュニティーに属している学生や、オンラインでの活動に積極的に参加している学生に置いていかれそうだと不安を漏らす。


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