“話のネタ”は業界用語!?いえいえ、江戸時代に流行った「倒語(とうご)」です 〈tenki.jp〉|AERA dot. (アエラドット)

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“話のネタ”は業界用語!?いえいえ、江戸時代に流行った「倒語(とうご)」です

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おうちでのリラックスタイムに、「話のネタ」になりそうな記事を発見!

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ザギンで食べたシースーがマイウーで……

ザギンで食べたシースーがマイウーで……

「パパ、だらしな~い!」は、江戸時代なら「しだらな~い!」

「パパ、だらしな~い!」は、江戸時代なら「しだらな~い!」

湿度の高いこの時期は、体を少し動かすだけで汗ばむこともあり、外出も億劫に……。クーラーをつけた涼しい室内で、TVやWebサイトを閲覧する機会も増えるのではないでしょうか。そんなとき、なにげなくネットサーフィンしていたら、友達に話したくなるような“話のネタ”に遭遇することもありますね。……あれ!?、話のネタじゃなく、“話のタネ”でしたっけ?
実は“話のネタ”も“話のタネ”も正解。どちらもほぼ同じ意味で使われています。今回は、“話のネタ”という言葉にまつわるトリビアをご紹介します!

「業界用語」なら、皆さんも聞き覚えがあるはず

「ワイハ」「シースー」「ザギン」「ギロッポン」「ジャーマネ」「マイウー」……。
これらの言葉の意味は、多くの方がご存じだと思います。言葉の前後を入れ替えた「業界用語」と言われるもので、「ワイハ」→「ハワイ」、「シースー」→「寿司」、「ザギン」→「銀座」、「ギロッポン」→「六本木」、「ジャーマネ」→「マネージャー」、「マイウー」→「ウマい」というわけです。
業界用語の「業界」は一般的には芸能・マスコミ関係をさします。このように単語を逆さ読みすることで、限られた仲間にしか通じない言葉にして、エリート意識や「カッコいい感」を演出していたのかもしれませんね。
ところが、逆さ読みという言語活動は現代に限ったことではなく、古くからたびたび行われてきたもの。なかでも江戸時代の逆さ言葉(=倒語)の流行は、現代にもその言葉が残っていることもあり、興味深いものです。
「え! ◯◯もそうなの?」と驚くような言葉が、江戸時代に始まった倒語ということもありますので、早速いくつかご紹介しましょう。

江戸時代に流行った倒語

■【だらしない】……もとは「自堕落」から派生した「しだらない」という言葉。倒語の「だらしない」が現代に残りました。
■【ゲンを担ぐ】……「縁起を担ぐ」の「縁起」が倒語になって「ぎえん」、いつの間にか「げん」に変化して定着したようです。
■【新しい】……実は「あらたしい」がそもそもの読み。倒語の「あたらしい」のほうが定着してしまいました。
■【ドヤ街】……「宿」の倒語「ドヤ」が使われ続け、日雇労働者が多く住む街のことをいつしか「ドヤ街」と呼ぶようになったそう。
■【グレる】……ハマグリは対になる殻とだけぴったりと合います。そこで、なにか噛み合わない状態のことをハマグリの倒語「グリハマ」と表現することが流行(はや)りました。この「グリハマ」が「グレハマ」へと変化し、いつしか動詞化して「グレる」になったのです。
■【ズボラ】……「坊主」の倒語「ズボウ」が訛(なま)って「ズボラ」になりました。「ズボウ」は江戸時代に「生臭坊主」などと言われるような権威が下がったお坊さんに対して使われていたので、いつしか「だらしのない人」を「ズボラ」と言うようになったのでしょう。
こういった言葉と同じように「話のネタ」も「種」の倒語なのです。「飯の種」のように、商売の核(糧)となるもの(=商品)のことを「種」と言っていましたが、江戸時代の人々が倒語である「ネタ」と呼び始めました。しかし、もともとの「種」も言葉としてなくならず現代まで残っているのです。
厳密にいうと、「話のタネ」と「話のネタ」は異なるニュアンスを含んでいますよね。使われる場面も違いがあるように思います。
【話のタネ】…… 話の材料、もしくは噂の材料。
【話のネタ】…… 新聞や小説などの材料や証拠。漫才などで事前に決めている話題。
このように、ひとつの単語に由来しながら異なる語形となり、かつ異なる意味や機能を持ちながら併用されているふたつの言葉のことを「二重語」もしくは「姉妹語」と呼ぶそうです。
―― 普段何気なく使っている言葉も、その成り立ちや歴史を紐とくとそれまでとは違った重みを感じませんか?
今回ご紹介した「倒語」も、ぜひ話のネタ(もしくはタネ)にしてくださいね!


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