北国でも、そろそろ雪解けが始まりました。幹線道路もアスファルトが見えてきて、危険なツルツル道路もやっと走りやすい部分が出てきました…と思ったら、道路はデコボコの穴だらけ。ハンドルをとられることもあるので、雪解け後の道路も危険です。毎年のことですが、雪が解けた後の道路は、どうしてこんなに穴だらけなのでしょう。

せっかく雪が解けたと思ったら、道路は穴だらけ。思わぬ事故につながることも。

雪が解けてアスファルトの道路が見えてきて、さあ、やっと車が走りやすくなった…と思ったら、道路は穴だらけです。穴の大きさは、小さいものは5cmくらいから、大きいものだと50cm以上になることもあります。
深さは5cm~10cmほど。雪道のマンホールの穴と違って、アスファルトの穴のフチはカクカクとして鋭いので、バンパーが壊れるというよりも、パンクするのでは…という怖さがあります。乾いた路面なので、車を運転するときは、のろのろ運転の雪道と違って、ある程度スピードを出しますが、このデコボコの穴のせいで、車はけっこうガタガタいいます。たまに“大穴”にはまると、かなりの衝撃です。ハンドルをとられて思わぬ事故につながることもあります。
北国では毎年のことですが、雪解けのころになると、どうして道路はこんなにもデコボコの穴だらけになるのでしょう。

ひび割れに水が浸み込み、昼は解けて夜は凍る。凍ると膨張して、ひびが大きくなる。

気温が高くなってくると、道路の小さなひび割れや継ぎめに、雪解け水がしみこみます。この水がアスファルトの中の砂粒の接着力を弱め、砂粒の周辺にすき間ができて、さらに水がしみこみます。また、昼間にしみこんだ水は夜になると凍結し、氷となって体積が増えて、さらにすき間が広がります。
すき間が大きくなったところに、通過する車の重みや衝撃で道路の一部が崩壊し、さらにアスファルトがはがれていくので、大きな穴となってしまいます。この穴は「ポットホール」といわれます。
春になって雪がとけると、北海道ではあちこちで道路の補修が行われます。補修された道路は雪が降るまでは走りやすくなりますが、雪が積もると、その補修された継ぎめにまた水がしみこみ、雪がとけると大きな穴になる…。毎年毎年繰り返される道路の穴と補修。北国の“風物詩”ともいえそうな光景です。

路面の悪化でパンク急増の年もあった。

今から3年前、2013年は積雪が多かったので、雪どけが遅い年でした。この年、札幌では、道路のアスファルトが見えたのは3月中旬ころこらですが、パンクに悩まされたドライバーも多く、JAF(日本自動車連盟)によると、3月のパンク修理の出動は、前年に比べ1.5倍にもなったそうです。パンクの原因は路面の穴や溝によるものでした。このように、雪解け後の穴や溝が多くなると、パンクの数が増えてしまうのです。
年末になるとよく道路の補修をしている光景を目にしますが、北海道の場合、年末に補修されても、どうせ雪解けには穴だらけになるのに…と、思わずにはいられません。
天気予報によると、ひな祭り以降から北海道でも気温が上がり、雪解けが進みそうです。雪がとけると目立つ道路の穴ボコ。雪が降っても雪が解けても、北海道のドライバーは運転に気を抜くことができません。

「ひび割れ」から「穴」に“進化”する…
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