怖い凡人 ナチス政権のもと、数百万のユダヤ人をガス室送りにしたアイヒマンが、ヒトラーの命令に唯々諾々と従うだけの凡庸な人物だったという話は有名だ。そうした「怖い凡人」を切り口として、気鋭の精神科医である著者が、千葉県野田市の児童虐待傷害致死事件、東芝の粉飾決算、スルガ銀行の不正融資問題、日大アメフト部の悪質タックル問題などを鮮やかに読み解いていく。 話題の新刊 9/6 週刊朝日
ぼくを忘れないで サイモンが死んだ。ぼくの兄が死んだのだ。心が麻痺すると涙は出なくなる。それは「ヘビの形と音を持った病気」なのだと19歳になった主人公のマシュー・ホームズは、自らの病状を説明する。これは彼の物語であり、成長の記録を描いた小説だ。 話題の新刊 9/6 週刊朝日
ケーキの切れない非行少年たち 著者によれば、非行少年の8割が「自分はやさしい人間です」と答えるという──たとえ自身が殺人犯であっても。本書は非行少年の認知機能を分析し、彼らへの教育支援の必要性を説く。 話題の新刊 9/6 週刊朝日
見えないものを集める蜜蜂 1952年生まれのフランスの詩人作家による散文集。「この雑多な散文集は(中略)ことばが行き来する蜂の巣のような本」と序文で著者自身が定義するが、「雑多な」と言うにはあまりに詩的だ。 話題の新刊 8/30 週刊朝日
同調圧力 自著『新聞記者』が同名映画の原案となった東京新聞社会部記者と、元文部科学事務次官、元ニューヨーク・タイムズ東京支局長が、「同調圧力」をキーワードに日本のジャーナリズムや組織の問題点を指摘した。巻末には、映画の劇中座談会も収録する。 話題の新刊 8/30 週刊朝日
文豪たちの悪口本 作家は言葉のプロだ。彼らが他人に対して攻撃的な言葉を発したらどうなってしまうのか。夏目漱石、永井荷風、菊池寛など日本を代表する文豪の随筆、日記、手紙などから「悪口」を集めた。 話題の新刊 8/23 週刊朝日
もうすぐいなくなります 絶滅の生物学 生命が誕生してから38億年の間に、地球上に現れた生物種の99%はすでに絶滅しているといわれる。本書は、その「絶滅」という事象から生物史を読み解いたもの。 話題の新刊 8/23 週刊朝日
東京12チャンネル時代の国際プロレス 週に7時間も地上波でプロレス放送が流れていた時代があった。だが当時は一度見逃すともう一生見られない(と信じていた)。その切実さが、昭和のプロレス少年たちの記憶を色濃くしている。 話題の新刊 8/23 週刊朝日
糸を出すすごい虫たち 著者は生体高分子学などが専門だが、「趣味の研究」として、クモやミノムシなど糸を出す虫を四十数年にわたって調べつづけている。この本を読むと、純粋な好奇心に裏打ちされた研究者の心意気が手に取るように伝わってくる。「なぜ?」という問いを、あくまで突きつめていくのだ。 話題の新刊 8/2 週刊朝日
ヤンキーと地元 沖縄県の国道58号、通称「ゴーパチ」には、夜な夜な暴走族やその見物人が集まってくる。著者は大学院生だった2007年、ヤンキーと呼ばれる彼らの「パシリ」として行動を共にし、以後10年以上にわたって彼らと付き合ってきた。 話題の新刊 7/26 週刊朝日
わたしは哺乳類です 母乳から知能まで、進化の鍵はなにか 哺乳類という種がいかなる進化の道を辿ってきたのかを、分子生物学をはじめとする最新の知見を織り交ぜながら総覧的に説く意欲作。 話題の新刊 7/26 週刊朝日
Think CIVILITY 経営者や従業員の礼節ある態度が企業業績に大きく関係していることを明らかにした一冊だ。著者は長年の調査結果をもとに、無礼な振る舞いが企業にいかに悪影響を及ぼしているかを提示している。 話題の新刊 7/26 週刊朝日
「食べること」の進化史 培養肉・昆虫食・3Dフードプリンタ 「食」が過去から現在へと至る中でどう変遷してきたか、今後どう変わりうるかを、進化論のダーウィニズムを取り入れた中立的な視点で論じている。いいか悪いかではなく、結果として何が求められるかが本書の主題だ。 話題の新刊 7/18 週刊朝日
<レンタルなんもしない人>というサービスをはじめます。 NHK「ドキュメント72時間」でも紹介された著者がインタビューに答えた本。一人では入りづらい場所へ同行してほしい、サボるので見張っていてなどツイッターで来た依頼に応じ、その内容を投稿してきた。フォロワーは約20万人。なかには離婚届の提出に付き添うというものも。 話題の新刊 7/18 週刊朝日
「わたし」と平成 ヤフーニュースがネット上に掲載した本書と同名のインタビューが本になった。作家の朝井リョウや映画監督の森達也ら著名人も登場するが、ほとんどは美容師やドアマンなど市井の人々。阪神・淡路大震災の遺児や元ハンセン病患者もいて計33人の話が並ぶ。 話題の新刊 7/18 週刊朝日