ラスト・ストーリーズ 多くの人々から「英語圏最高の短篇小説家」と称されたウィリアム・トレヴァーは、2016年、88歳で亡くなった。存命中に刊行予定だった『ラスト・ストーリーズ』は10編の短篇小説を収め、彼が生きていれば90歳となる誕生日に発売された。 ベスト・レコメンド 週刊朝日 10/23
海神の島 祖母が遺す莫大な遺産をめぐって、3人の孫娘が壮絶な争いを繰り広げる。相続権を得るためには、曽祖父が発見したという秘宝を手に入れなければならない。秘宝の謎を解き、遺産を手にするのは誰か……。 ベスト・レコメンド 週刊朝日 10/2
天気と気象の特別授業 暖冬ではじまった今年。私たちはあれよあれよとコロナ禍に覆われて息をこらしながら春を見送り、梅雨には豪雨に襲われ、8月になると猛暑の下でマスクをつけて動き、現在、台風シーズンの到来にうんざりしている。 ベスト・レコメンド 週刊朝日 9/11
女の答えはピッチにある ぼくはサッカーのことを何も知らないけれど、キム・ホンビ『女の答えはピッチにある』には感動した。経験ゼロの30代女性がアマチュアチームに入ってさまざまな経験をする。それを辛辣かつユーモラスに書いたエッセイである。今年読んだノンフィクションの一番だ! ベスト・レコメンド読書 週刊朝日 9/4
理由のない場所 ある日、16歳の息子が自殺する。作家である母親は、悲しみに打ちひしがれている渦中に息子との会話をはじめ、その内容を小説として書こうとする。明確なストーリーはなく、16章に分かれて2人の対話と沈黙が続いていく。 ベスト・レコメンド 週刊朝日 8/27
「流域地図」の作り方 令和2年7月豪雨で氾濫した球磨川の濁流をテレビで見ているとき、私はふと、ある映像を思いだした。それは、昨年10月13日に行われたラグビーW杯の日本対スコットランド戦の会場、日産スタジアム周辺の光景だった。 ベスト・レコメンド 週刊朝日 8/2
万葉集の起源 『万葉集』というと“日本人の心のふるさと”みたいなイメージで語られがちだ。えてして「日本だけの」「日本にしかない」という思い込みにもつながりかねない。 ベスト・レコメンド 週刊朝日 7/25
じんかん 主家を乗っ取り、将軍を暗殺し、東大寺大仏殿を焼き討ちした「三悪」の戦国武将、松永久秀。新たな主人となった織田信長に対しても謀叛を重ね、籠城した信貴山城で、火薬をつめた名高い茶器とともに爆死したと伝わっている。 ベスト・レコメンド読書 週刊朝日 7/21
武器としての「資本論」 結局のところ、政府なんてたいして役に立ちやしない、ということが新型コロナでよくわかった。むしろ、いらんことばっかりやってる感。布マスク2枚配布とか、怪しい広告会社にカネが落ちるようにしたりとか。 ベスト・レコメンド 週刊朝日 7/10
最後の講義 完全版 石黒浩 NHKが放送した日本版の「最後の講義」には、大林宣彦、西原理恵子、福岡伸一、石黒浩、みうらじゅんらが登場した。学生向けに語られた彼らの講義は、50代の私が聴いてもついメモを取ってしまうほど、それぞれが独自の知見にあふれていた。そして、このシリーズが『最後の講義完全版』として書籍化されると、私は最も刺激を受けた石黒浩編をすぐに購入した。 ベスト・レコメンド読書 週刊朝日 7/6
大谷翔平 その先へ 米プロスポーツ史上最高額での契約でロサンゼルス・ドジャースへ入団。米野球界初となるホームラン50本、50盗塁の「50-50」達成。そしてワールドシリーズ優勝。今季まさに頂点を極めた大谷翔平が次に見据えるものは――。AERAとAERAdot.はAERA増刊「大谷翔平2024完全版 ワールドシリーズ頂点への道」[特別報道記録集](11月7日発売)やAERA 2024年11月18日号(11月11日発売)で大谷翔平を特集しています。 大谷翔平2024
アメリカ大統領選挙2024 共和党のトランプ前大統領(78)と民主党のハリス副大統領(60)が激突した米大統領選。現地時間11月5日に投開票が行われ、トランプ氏が勝利宣言した。2024年夏の「確トラ」ムードからハリス氏の登場など、これまでの大統領選の動きを振り返り、今後アメリカはどこへゆくのか、日本、世界はどうなっていくのかを特集します。 米大統領選2024
本にひたる 暑かった夏が過ぎ、ようやく涼しくなってきました。木々が色づき深まる秋。本を手にしたくなる季節の到来です。AERA11月11日号は、読書好きの著名人がおすすめする「この秋読みたい本」を一挙に紹介するほか、ノーベル文学賞を受賞した韓国のハン・ガンさんら「海を渡る女性作家たち」を追った記事、本のタイトルをめぐる物語まで“読書の秋#にぴったりな企画が盛りだくさんな1冊です。 自分を創る本
彼らを書く 表紙には「bbp」。それぞれの文字の丸くくりぬいた部分には、ザ・ビートルズ、ボブ・ディラン、エルヴィス・プレスリーの顔写真。片岡義男『彼らを書く』は、彼らのDVD作品についての評論である。作品のジャンルはさまざまで、コンサートのドキュメンタリーもあればゲスト出演したテレビ番組、俳優として出た劇映画、題材となった映画などもある。合計31作品を現在見て、片岡義男はこの本を書いた。 ベスト・レコメンド 週刊朝日 6/29
アーモンド 今年の本屋大賞・翻訳小説部門の1位となった『アーモンド』のカバーには、少年の顔が描かれている。彼の名はソン・ユンジェ、あだ名は「怪物」。生まれつき扁桃体(アーモンド)が小さく、どんな感情もあまり感じることができない。他人に共感することもなく、その顔はいつも無表情だった。 ベスト・レコメンド 週刊朝日 6/19
朝鮮半島と日本の未来 金正恩の重体説が流れたのは4月21日。さまざまな想像が頭の中を巡った。北朝鮮でクーデタ勃発。朝鮮戦争の再発。アメリカによる北朝鮮攻撃……等々。のちに情報はガセだったらしいとわかった。だが、北朝鮮に何かあれば、日本も無関係ではいられないのだと改めて痛感した。 ベスト・レコメンド 週刊朝日 6/11
猫を棄てる 父親について語るとき 村上春樹の『猫を棄てる』は、副題にあるとおり、これまで避けるように触れてこなかった彼の父親について書かれている。デビュー作からずっと村上作品を読んできた者としては、その意外性だけで惹きつけられた。 ベスト・レコメンド 週刊朝日 6/5
もうダメかも死ぬ確率の統計学 人は必ず死ぬ。たとえコロナにかからなくても。ガンや脳出血や交通事故や老衰で死ぬ。しょうがないけど、あきらめられない。いつかは死ぬと知りながら、ぼくらはその日をできるだけ先延ばしにしようとする。 ベスト・レコメンド読書 週刊朝日 5/29