企業決算最高益も30年増えぬ賃金 「身の丈経営」再びで今後も賃上げは期待薄か 企業決算は4年ぶりの最高益。「失われた30年」から抜け出せるかと思ったら、ウクライナ情勢などで先行きには暗雲が漂う。いつまで賃上げのない生活を強いられるのだろうか。 AERA 2022年6月13日号の記事から紹介する。 6/9
日産ゴーン事件とイトマン、堀江貴文に共通する人間の性とは?【平成経済事件史】 平成の世の始まりはバブル経済の絶頂期だった。一見きらびやかな幕開けだったが、バブル経済の崩壊で一転。「失われた10年」、「20年」を経て、日本が凋落していく時代が平成だった。この30年の日本経済を、経済事件を軸にして振り返る。 安井孝之平成史 1/4
竹中平蔵氏らライザップ経営諮問委員会解散へ 結果にコミットできず 株価下落が止まらないトレーニングジム大手RIZAP(ライザップ)グループ。その経営指南役だった経営諮問委員会が12月末にいったん解散する。広告では多数の有名タレントを起用し、「結果にコミット」を切り札にして客の信用を集めていた。経営諮問委員会にも小泉改革を主導した竹中平蔵氏やコーポレートガバナンスの専門家、伊藤邦雄一橋大学名誉教授らそうそうたるメンバーが顔をそろえていたが、「結果にコミット」できなかったようだ。 12/17
ゴーン氏逮捕、解任でも結局、日産は刑事責任を取らざるを得ない 日産自動車を再生させたカリスマ経営者、カルロス・ゴーン容疑者(日産自動車会長)が金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)で逮捕され、その評価は暗転した。「絶対権力は絶対に腐敗する」(歴史学者アクトン)の警句を絵にかいたような展開だ。なぜカリスマ経営者は道を踏みはずしたのか。またそれを日産経営陣は許したのか。 安井孝之 11/22
先が見えない時代に生きる経営者に必要なものは? 教養、そしてネガティブ・ケイパビリティ? 2018年の世界経済は混迷を深めている。米中貿易摩擦が激しくなり、超大国がぶつかり合う。中東最大の産油国でAIなどの最先端企業に多額の出資をしているサウジアラビア政府の記者殺害疑惑も浮上した。またAI技術の発展の先にどんな企業社会が待ち受けているのか。確かな解答を見つけにくい時代に会社のかじ取りを任された経営者は何を手掛かりに経営判断すべきなのだろうか。 11/8
成長の種を見逃す日本企業 山形で誕生した「帝人」に学べ 大手繊維メーカーの帝人は9月末、創立100周年の記念イベントを山形県米沢市で開いた。帝人といえば本社は大阪市にあり、かつては繊維産業で栄えた大阪を地盤にした会社だと思われがちだが、そのルーツは米沢にある。今で言うなら「大学発ベンチャー」として創業し、発展したのが帝人である。 企業安井孝之 10/25
豊田章男×孫正義で何が生まれるのか?サラリーマン経営者の時代の終わりか トヨタ自動車とソフトバンクの合弁会社設立のニュースを聞いて、多くのビジネスパーソンは驚いたに違いない。モノづくりを愚直に続けてきたトヨタと時代の変化を巧みに見出し、次々と業態を変えてきたソフトバンクの組み合わせ。どう考えても相性が悪いと思うのが普通だろうが、実際はかなり様子が違った。発表のあった10月4日から6日にかけて、豊田章男会長兼社長と孫正義は2回にわたり舞台に揃って上がり、息の合う様子を見せたのだ。それはなぜなのだろうか。 安井孝之 10/11
ブラックアウトでもわかった「選択と集中」は時代遅れで危険な戦略という事実 北海道全域で起きた大規模停電、ブラックアウトは日本で初めての事態だった。その原因の特定は9月21日から始まった第三者委員会の議論を待つとしても、大きな要因が苫東厚真発電所への過度な依存にあったことは指摘できる。いわゆる「選択と集中」が今回の停電で悪影響をもたらしたのだ。多くの経営者は口を開けば「選択と集中」という。だが新しい技術が次々と台頭する「大変革期」に「選択と集中」はとても危険な戦略と考えるべきなのではないか。 安井孝之 9/27
霞ヶ関が掟破りの障害者雇用“水増し” 経団連は安倍政権に活をいれるべき 世の中予想もしないことが起きるものだ。森友学園問題では財務省幹部による公文書の改竄が行われ、中央官庁が集まる霞が関の27機関が法律で定められている障害者雇用の数を水増ししていた。法律を守るのが必須条件の組織がルールを破っていたとは、行政組織の根幹を揺るがす事態である。「正直、驚いた」と中西宏明・経団連会長は記者会見で語ったようだが、もっと怒りを政府にぶつけるべきだろう。 安井孝之 9/13
「寵児」イーロン・マスクの挫折 市場は常に正しいのか 電気自動車(EV)メーカーの米テスラは2010年に米ナスダック市場に上場して以来、最高経営責任者(CEO)のイーロン・マスク氏が宇宙、EVなど新技術の未来を語り、資本市場から資金調達しては事業を拡大してきた。いわばマスク氏は「市場の寵児」だった。だがここにきて、市場離れを画策したが、結局は市場に引き戻された。マスク氏の戦略がすべて正しかったとは思わない。だが「市場」もまたいつも正しいとも思えない。 安井孝之 8/30