首相会見や官房長官会見での記者の追及不足、フリー記者の排除など、政府とメディアの関係の実態を朝日新聞記者が伝える。

 新型コロナの感染が拡大するなか、そのリスクを伝える安倍首相(当時)の会見が、官邸記者クラブと質問を事前調整したうえでの、プロンプターを使った「朗読会」だったことが指摘される。「森友・加計問題」「辺野古問題」をめぐる菅官房長官(当時)の会見でも、再三にわたって記者の質問に制限が加えられたことに、著者は戦中の「大本営発表」ならぬ「台本営発表」と批判する。

 安倍首相との会食や検察幹部との賭けマージャン問題では、癒着が疑われる記者の距離感に疑問を呈し、男性中心の記者クラブの弊害を訴える。政府とメディアをめぐる問題に対し、今後も市民は疑問の声を上げ続けなければならないことを痛感する。(金田千里)

週刊朝日  2020年12月25日号