70年代に「anan」等のモデルで活躍した秋川リサさんも、60代。しかし「まだ60代。ここからよ!」と言う。本書にはそんな前向きな発想が溢れている。

 秋川さんの母は82歳で認知症になり、自宅介護を経て介護施設に入居。“自分の時はどこを選ぶか”を考えた秋川さんは、施設で1年半働いた。「お金があれば幸福なわけではない。介護を受けて暴言を吐く人もいればお礼を言える人もいる。違いはなにか」。介護現場の現実を見て、家族ともっと話さないと、と秋川さんは思った。知り合いの若者らにも料理を定期的にふるまう。資格取得にも意欲的だ。「今年、ジュエリーコーディネーターの資格を取ったけど、受験は楽しかった。これから心理カウンセラーや日本語教師の資格も目指したい」。元気をもらえる一冊だ。

週刊朝日  2017年12月29日号