1968年生まれの著者は、奈良県の吉野山金峯山寺で出家得度し、99年に金峯山寺1300年の歴史で2人しか満行していない大峯千日回峰行を達成した大阿闍梨である。大峯千日回峰行とは、48キロの険しい山中を1日16時間かけて歩き、それを千日間続けるという命がけの荒行だ。

 その荒行の果てに得た「人生の歩み方」についての悟りを、誰もが日常生活で実践できるプチ修行法として紹介。歩きながら「ありがとう」「ごめんなさい」を唱え、短時間の座禅を組んで自分と向き合うだけで、心の針を常にプラス方向にコントロールでき、無用な苦しみから解放されると説く。

 1日5分で効果が出る「心のエクササイズ」や、三日坊主で終わらせないための「続ける技術」についても助言。心身ともに健康に暮らす生活術も詰まっている。

週刊朝日  2017年11月17日号